明治維新後の町おこし事業として創建された平安神宮。周囲には内国博覧会用パビリオンが造られ、祝祭広場となった。 Prisma by Dukas 京都の人には申し訳ないが、数ある祭の中でも時代祭には興奮しない、と他府県からやってきた人々は口々に言う。行列をカメラに収めようとするのだが、様にならないのである。唯一フォトジェニックなのは、清少納言や紫式部に扮する芸妓だけだ。 それもそのはず、練り歩くのは、不慣れな一般市民。色々な町内が持ち回りで、当たった年に初めて装束を着るのである。毎年10月22日に行われる(即位の礼と重なる今年は26日に変更)時代祭は究極のコスプレで、明治維新から平安京造営まで遡って1000年、西郷隆盛や織田信長など、歴史上の人物それぞれの装束を着て、京都御所から平安神宮へ一般市民2000人が練り歩く祭だ。他方、葵祭や祇園祭は装束や裃をまとう人々は毎年のことで慣れていて、どこを