地球上で生産される食品の約3分の1が、食べられることなく廃棄されている。捨てられる食べ物をなくそうと奮闘する英国人活動家に密着した。 文=エリザベス・ロイト/写真=ブライアン・フィンク 食べ物を捨てることは、世界のあらゆる文化圏で道理に反すると考えられている。地球上には飢えに苦しむ人が8億人近くもいる一方で、国連食糧農業機関(FAO)によれば、世界では年間13億トンもの食品が食べられることなく捨てられているという。これは全世界で生産されている食品の約3分の1に当たり、飢えた人の倍以上の人々に食事を提供できるほどの量だ。 「食品ロス」はどの段階で起きるのか? これだけの食品が、一体どこへ消えてしまうのだろう? 途上国では、適切な貯蔵施設や十分な道路網、冷蔵設備の不足が原因で収穫後に多くが失われる。一方、先進国では、生産から消費に至るまでの供給プロセス「フードチェーン」の後半段階で、より多くの
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