今年のアカデミー最優秀外国語映画賞に輝いた『Tsotsi(ツォツィ)』、日本では公開されないのかな? 掘っ立て小屋が立ち並ぶスラム街を、まだニキビが残る十代の若者たちが、革ジャンに身を包み、肩で風切って歩いてくる。彼らを見て「いきがりやがって、チンピラどもが」と笑う地元のヤクザたちを睨みつける。 ここは終戦直後の闇市ではないし、これは『仁義なき戦い』ではない。 全編に響き渡る激しいビートとラップは「クワイト」という南アフリカ独特のヒップホップだ。 「ツォツィ」とは、南アフリカ語で「チンピラ」という意味だそうで、19歳の主人公は「ツォツィ」と呼ばれているが本名は誰も知らない。 彼らチンピラ四人組はスラムに済み、高層ビルが立ち並ぶ首都ヨハネスブルグの中心部(新宿そっくり!)に通って強盗を繰り返す。一握りの金のために人を殺し、車椅子の乞食の金さえ奪う人間のクズどもだ。 そんな生活に嫌気が差した仲
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