「Getty Images」より 10月1日に消費税が10%に増税された。前回の増税はリーマンショック後の景気回復局面だったが、今回は世界景気が減速しつつあるなかでの増税となる。一方で、デフレと言いながら物価は上昇を続けており、労働者の実質賃金は低下している。年末から来年にかけてはさらに消費が冷え込む可能性が高く、景気対策を求める声が大きくなるのは確実だろう。 だが、日本経済が成長できていないのは、景気対策が不十分だったからではない。日本経済の仕組みが時代に合っておらず、あらゆる面で機能不全を起こしていることが原因であり、ここに手を付けなければ、すべての政策は対処療法に終わってしまう。 日本は「かつて」物作りの国だったが…… 日本は物作りの国というイメージがあり、経済政策についても製造業支援を念頭に置いたものが多い。アベノミクスは特にその傾向が強く、原発輸出を国策にしたり、製造業の設備投資