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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (115)

  • エネルギー節約技術の進歩がエネルギー消費の減少につながらない理由 - himaginary’s diary

    についてペンシルベニア大学ウォートン校教授のArthur van Benthemが研究した結果を、同大の「The K@W Network」1/16付け記事が報告している(H/T Mostly Economics)。 記事の冒頭では、研究のテーマを以下のように表現している。 Developing nations these days have access to energy-saving technologies that did not exist when wealthy, industrialized countries were at a similar stage of their own growth. As these developing nations evolve in the future, will they wind up consuming less energ

    エネルギー節約技術の進歩がエネルギー消費の減少につながらない理由 - himaginary’s diary
  • オイラーは方程式、やくざな方程式・補足 - himaginary’s diary

    前回エントリについて、マクロ経済学者はハンセンも知らないのか、という主旨のメンションをツイッターで頂いたが、もちろんそれは事実に反する。紹介では省略してしまったが、元エントリでは、オイラー方程式に否定的な実証研究を巡るEichenbaumとノアピニオン氏の会話という文脈で、「The classic paper is Hansen and Singleton (1982), which found little support for the equation.」という一文が記されている。また、そもそもノアピニオン氏の専門はファイナンスであり(cf. CV)、エントリに以下に文章を追記している。 Carola Binder, over at her blog, points out that consumption Euler Equations are also extensively u

    オイラーは方程式、やくざな方程式・補足 - himaginary’s diary
    atashi9
    atashi9 2014/01/19
  • オイラーは方程式、やくざな方程式 - himaginary’s diary

    ノアピニオン氏がセントルイス連銀の秋季コンファレンスに出席した時のエピソードをブログに書いているが、Martin Eichenbaumが講演で「次のモデル更新ではオイラー方程式を遂に放逐できるだろう」と語ったことに耳目を引かれたとの由。そこで講演後にEichenbaumを捕まえて真意を質したところ、ジョージタウン大学のMatthew B. Canzoneri、Robert E. Cumby、Behzad T. Dibaによる2006年の論文(出版バージョン)「Euler equations and money market interest rates: A challenge for monetary policy models」を紹介されたという。 以下は同論文の結論部の冒頭。 Interest rates implied by combining the dynamics of co

    オイラーは方程式、やくざな方程式 - himaginary’s diary
  • 金利に反応しない投資 - himaginary’s diary

    石町日記さんもツイートされているが、FRBが投資の金利感応度に関する論文を出している。著者はSteve A. SharpeとGustavo A. Suarezで、論文のタイトルは「The insensitivity of investment to interest rates: Evidence from a survey of CFOs」。 以下はその要旨。 A fundamental tenet of investment theory and the traditional theory of monetary policy transmission is that investment expenditures by businesses are negatively affected by interest rates. Yet, a large body of empiri

    金利に反応しない投資 - himaginary’s diary
  • ワーキングプアを助ける上で最低賃金は最低の方策 - himaginary’s diary

    マンキューが最低賃金引き上げの逆効果をデビッド・ヘンダーソンのブログ記事から引用しているが、そのブログ記事はヘンダーソンのへの寄稿記事を元にしたものであり、さらにその寄稿記事の元ネタは「Joseph J. Sabia and Richard V. Burkhauser, “Minimum Wages and Poverty: Will a $9.50 Federal Minimum Wage Really Help the Working Poor?” Southern Economic Journal, Volume 76, Issue 3, January 2010」である。 以下は同論文の要旨。 Using data drawn from the March Current Population Survey, we find that state and federal minim

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  • ガラパゴス文化から脱するフランス - himaginary’s diary

    Mostly Economicsが、経済に直接関係あるわけでは無いが面白いので(Not really connected to economics but an interesting article)として、Theodore Dalrympleによる1/9付けCity Journal記事を紹介している。 以下は同記事の冒頭部。 France is three or four decades behind Britain in cultural degeneration but is making valiant efforts to catch up. One straw in the wind I noticed a few years ago was the arrival of a tattoo parlor in the small town near where I live

    ガラパゴス文化から脱するフランス - himaginary’s diary
  • グリーン車と普通車の間の均衡問題として考えてみると - himaginary’s diary

    昨日二重の意味で炎上騒ぎがあった新幹線のグリーン車の問題を表題の経済学的問題として考えられないかと無い知恵を絞って素人なりに頭を捻ってみたのでメモ。 通常の状態 普通車に比べたグリーン車による効用と、そのための対価が均衡 …通常の運行状況を前提として、普通車の乗客も窮屈な状況と言うグリーン車に比べた不効用を甘受 運行遅れなどの外部ショックが加わった状態 対価が変化していないにも関わらず、外部ショックによって均衡が崩れ、相対的にグリーン車乗客の得る効用が高まった …換言すれば、窮屈な状況の悪化および長時間化によって、普通車のグリーン車に比べた不効用が当初の想定(均衡状態)より高まった ●均衡を取り戻す方策 グリーン車の効用が相対的に上昇したのだから、それに見合って対価を上昇させる 対価の上昇分をそのままJR東海が懐に入れてしまうと、311の時に便乗値上げしたホテルと同じになってしまうので、相

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  • 世界の経済的不平等について知っておくべき10のこと - himaginary’s diary

    をKathleen Geierというシカゴ在住のライターが自ブログで挙げている(H/T Economist's View)。 世界経済の不平等を計測するのは非常に困難 各国が実施する国別の調査はあるが、世界規模の統一的な所得に関する家計調査は存在しない。 国別調査は質や質問や手法が標準化されていない。さらに以下の問題がある: 何が所得かという問題。例: 自作農の所得をどう記録するか 医療保険(ある国では無料の皆保険、ある国では被雇用者の民間給付パッケージ)を所得として扱うかどうか 人々は得てして所得を正確に記憶していない。 所得形態が定期的に支払われる賃金でなければ無理からぬこと 富裕層貧困層も正しい値が得られない傾向がある。 多くの調査では開示所得に上限制約を掛けるため(topcoding*1)、富裕層の所得を過小評価する 異なる国の家計調査をつき合わせる際の通貨換算の問題。 経済的不

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    atashi9
    atashi9 2014/01/03
  • 2014年の三大マクロ経済問題 - himaginary’s diary

    についてGavyn Daviesが書いている。このうちの少なくとも一つは2014年以降の重大なマクロ経済問題になるだろう、と彼は予言している。 FRBはいつ米国の供給制約を気にするようになるか? これまでの主要な懸念は、GDPの1.5%に相当する2013年の財政緊縮を受けた需要不足問題だった。しかし2014年にはその値が0.4%にまで縮小する半面、GDP成長率は3%を超えるとされている。その成長率はCBOの推計する潜在成長率2%を大きく上回っている。 多くの経済学者は、失業者の早期引退や低調な設備投資といった景気後退の副作用によって、潜在生産力は少なくとも一時的には低下したと考えている。実際、総需要と総供給の区別は曖昧になってきている。 クルーグマンのようなケインジアンは、総需要と総供給の区別は今も重要であり、潜在生産力は今後大きく高まる、と主張する。 CBOの推計によれば、潜在GDPは実

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  • ケインズにヴェルサイユ条約を批判する資格は無かった? - himaginary’s diary

    今年の10月3日、ドイツが第一次世界大戦の賠償金を完済したというニュースが流れた。2007年にノーベル経済学賞を受賞したゲーム理論家のロジャー・マイヤーソンが、最近ゲストブロガーとなったCheap Talkという共同ブログで、このニュースに関するNYT記事を入り口として、ケインズがこの賠償金に果たした役割について改めて考察している。 この賠償金に対するケインズの批判は良く知られている。実際、その舌鋒鋭い批判が、ケインズを当時最も有名な経済学者にしたと言える。彼は1920年の「平和の経済的帰結」と1922年の「条約の改正」で、ドイツの戦前のGDPの3倍にも及ぶ賠償金を課すことの愚かさを説いている。 しかし、賠償金の巨額さを非難したケインズも、賠償期間の長さについては問題にしていない。それもそのはずで、当時前例が無かった長期に亘る賠償金の支払いを立案したのは、他ならぬケインズ自身だった、とのこ

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    atashi9
    atashi9 2013/12/30
    ※2010年の記事
  • 若きスタンリー・フィッシャーとケインズ反革命 - himaginary’s diary

    というEconomix記事――書いたのはBinyamin Applebaumで、原題は「Young Stanley Fischer and the Keynesian Counterrevolution」――の冒頭で、スタンリー・フィッシャーの功績が次のように書かれている(H/T デロング)。 Stanley Fischer, who may join Janet L. Yellen atop the Fed, is now a respected elder among monetary economists, but he began his career as an insurgent. As with all successful revolutionaries, success has obscured the revolution. Consider the 1977 pape

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  • ミクロ的基礎付けを持つモデルと持たないモデル - himaginary’s diary

    エコノブロゴスフィアでミクロ的基礎付けに関する論争が起きている。最初はツイッター上の論争だったようだが、当事者の一人であるTony Yates(BOE出身で現在はブリストル大学勤務)が「Why microfoundations have merit」と題したブログ記事を上げ、アダム・ポーゼンがミクロ的基礎付けには得るところがない(without merit)と腐したのに改めて反論したことから、戦線がエコノブロゴスフィアに広がった。そのブログ記事にサイモン・レン−ルイスが反応し、ミクロ的基礎付けを持つモデルとデータに適合するモデルの折衷モデル(eclectic model)が良い、という持説を展開した*1。それにYatesが反論し、それにさらにレン−ルイスが反論した*2。また、ノアピニオン氏が両者の論争の概要を紹介したほか、Nick Rowe、Stephen Williamson、クルーグマ

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  • なぜ利益率の反転上昇が投資に結び付かないのか? - himaginary’s diary

    昨日紹介したPiketty論考を基に、クリス・ディローが資利益率と投資の関係について考察している。 以下はその概要。 資へのリターンが高いために富の集中が生じるというPiketty理論は、利益率が低下していくというマルクス主義への反証になっている、とTim Worstallは言うが、必ずしもそうではない。というのは、 マルクスは利益率の低下傾向について述べたに過ぎず、その傾向を逆転させ得る数多くの要因についても述べている。 マルクスの利益率の低下は、古典派経済学者の多くが共有していた「定常状態」という概念の焼き直しに過ぎない。即ち、いずれは収穫逓減が技術進歩に勝るようになり、経済成長が止まる、というものである。 米国の資産利益率を描画してみると、50年代から80年代初めに掛けて低下し、その後、ITバブル崩壊や金融危機による中断はあったものの、上昇している。 その傾向は、上位1%の所得シ

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    atashi9
    atashi9 2013/12/25
    新聞が悪い
  • マクロ経済学の還元主義 - himaginary’s diary

    昨日エントリではTony Yatesとサイモン・レン−ルイスのミクロ的基礎付けを巡る論争を紹介したが、ここで紹介したように、レン−ルイスは2ヶ月ほど前にもミクロ的基礎付けについてブログで論じている。そのレン−ルイスの議論を受けて、David Glasnerも10/25エントリでミクロ的基礎付けについて論じていた(H/T デロング)。彼はかつてのUCLAでのミクロ的基礎付けの動き(cf. ここ)などを紹介した上で、次のように書いている。 In this context microfoundations meant providing a more theoretically satisfying, more micreconomically grounded explanation for a phenomenon – “sticky wages” – that seemed somehow

    マクロ経済学の還元主義 - himaginary’s diary
  • 目標を見失ったニューケインジアン - himaginary’s diary

    昨日紹介したGlasnerは、エントリ中でマイケル・ウッドフォードを引用し、複数均衡の可能性を無視している、と批判した。一方、Glasnerを引用したデロングは、ウッドフォードを別の観点から批判している。 彼は、GlasnerのほかMark Thomaの主張――モデルも地図と同様に目的によって使い分ける必要があるという以前紹介した主張を改めてThe Fiscal Timesで行っている――も引きつつ、ウッドフォードをはじめとするニューケインジアンのモデルには、そもそも単なる経済分析とは別の目的があったのだ、と指摘する。その目的とは、10年前にロバート・ソローがスティグリッツの還暦祝いの席で以下のように指摘した現代思想の問題への対処である。 We want macroeconomics to account for the occasional aggregative pathologies

    目標を見失ったニューケインジアン - himaginary’s diary