この章では、現在のデータ圧縮・画像圧縮などで広く用いられているLZ法について説明します。 前章までで説明したハフマン圧縮では、個々のデータをハフマン符号に変換して圧縮を試みるというものでしたが、LZ法では、あるデータ列に着目して、それが以前に出現したことがあるかをチェックし、すでに出現したことがあるのならば、そのデータ列を示す何らかの符号(当然、データ列より短くなければなりません)に置き換える処理を行うことにより、圧縮を行っています。 LZ法には、いくつかの種類があり、その種類によってさらに名称が変わります。しかし、その違いは符号化の方法だけで、処理の内容については全て同じです。 LZ法は、Abraham LempelとJacob Zivの二人による共同開発によって、1977年に誕生しました。正式名称はZiv-Lempel codingですが、間違ってLZ法として紹介したことから、現在の