マラン・マレー (1656-1728) に「膀胱結石手術図」という曲があります。知る人ぞ知る作品です。 マレーの時代は、膀胱結石手術の治療成績は悪かったらしく、手術はかなりの割合で死を意味しました。抗菌薬や無菌法もなかった時代です。麻酔も行われていなかった筈です。 「膀胱結石手術 -バロック期の標題音楽集 (WPCS-5989)」 という CDをアーノンクールが出しており、そこにこの曲は収録されています。ライナー・ノーツに語り手の台詞の日本語訳がありますので紹介しておきます。 Le Tableau de I’Operation de la Taille [index I] 手術の様子 それを見て震える 手術台に登ろうと決心する 手術台の上まで行き 降りてくる 真剣に反省 腕と足の間に 絹糸が巻きつけられる いよいよ切開 鉗子を挿入する 石が取り出される 声も出ない 血が流れる 絹糸がはずさ