「此頃都ニハヤル物」で始まる二条河原の落書は、日本史上最も有名な落書と言えよう。建武元年(1334年)8月のものとされ、当時の政治や社会を批判する内容だ。当時の落書は必ずしも壁などに書かれたものではなく、怪文書のような形で出される場合もあり、江戸時代に最も流行した。また、戦前期には反戦や天皇制批判などの落書が取り締まりの対象となった。 今でも落書きは軽犯罪法違反だが、その内容の是非が問われることはない。しかし、北朝鮮では、内容の方が大問題になる。 両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によると、恵山(ヘサン)に住む40代男性は一昨年9月、人民班(町内会)の警備哨所(検問所)に、国家を批判する内容の落書きをした容疑で逮捕された。 北朝鮮では当時、首都・平壌でマンションの外壁に「金正恩の犬野郎、人民がお前のせいで餓死している」と書かれているのが見つかったのに続き、全国各地で同種の落書き