当コーナーでもたびたび取材しているように、大手メーカーの下請けとしてプラキットの金型を製造してきた中小企業が、自社製品をつくる例が増えている。 今回取材した株式会社マツキから発売されている「ルアープラモ」も、そんなひとつだ。ルアーといえば、釣りで使う魚の形を模した疑似餌のこと。なぜ、ルアーを組み立てキットにしたのだろう? 企画・製造元のマツキは、東京都江戸川区に1978年創業した老舗の金型製造業者で、同社のショーウィンドウの中には名だたる大手メーカーの最新キットがずらりと並んでいる。「町工場」という表現のぴったりくる社内の巨大な機械類にはかなり年季の入ったものもあるが、いったいなぜ釣りなのか? なぜルアーをプラモ化したのか? マツキ代表取締役の鈴木崇嗣さんに聞いてみた。 デジタル時代の金型設計とは? ルアープラモを作った町工場の実情 ── マツキさんの創業は、1978年だそうですね? 鈴木