この記事の3つのポイント 実は傑作、特撮番組のコミカライズ「サンダーマスク」 タイパ重視では巡り合えない“自分のため”の作品 創作の速度が生成AIで爆速化した時、経済はどうなるか 私の本棚には、『手塚治虫漫画全集』(講談社)が並んでいる。といっても全部ではない。同全集は1976年から1984年にかけて100巻を1期として3期全300巻が出版されて一度完結した。さらに手塚没後の1993年から第4期100巻の出版が始まり、1997年に全400巻がそろった。 私が持っているのは、最初の300巻だけである。 買った理由は直接には、「手塚治虫の全作品を読んでみたかった」からなのだが、別途きっかけはあった。 手塚治虫は1989年2月9日に60歳で没した。この年は1月7日に昭和天皇が87歳で崩御し、2月に手塚、そして6月24日に美空ひばりが52歳にしてこの世を去っている。元号は昭和から平成に変わったが、