河村たかし市長は「教育委員会を改革するため」としていたが、議会側は「公教育に営利目的の塾経営者を入れるのは問題だ」とする意見が大勢を占めた。同市議会事務局によると、記録が残る過去40年で、人事案が否決されたケースはなかったという。 否決されたのは、学習塾「明倫ゼミナール」の杉藤清行理事長(65)の教育委員選任案。野党の自民、公明、共産に加え、与党の民主も反対し、1対73の大差だった。採決の結果を不満とした河村市長が発言を求めて議長席に詰め寄り、制止される場面もあった。 議会終了後、記者会見した河村市長は「小中学生の7割が塾に通う中、議会は子供たちを向いていない。形骸(けいがい)化が叫ばれている教育委員会に塾関係者を入れることで、初めて教育改革は進む」と厳しく批判した。教育委員は現在5人で、法定数を満たしているため、河村市長は新たな委員を選任せず、杉藤理事長を市の経営アドバイザーに任命する考