(2010年10月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)日本銀行は、日本経済が収縮していくのをあきらめて傍観するようになる前まで、なかなかの先駆者だった。米連邦準備理事会(FRB)と英イングランド銀行が信用緩和政策と量的緩和政策を始める何年も前に、紙幣増刷による資産買い取りを実験していた。今週、日銀はわずかながら昔の魔力を再発見した。量的緩和へ回帰するシグナル日銀の政策委員会は9月5日、資産買
浜田宏一・イェール大学教授は、『週刊東洋経済』11月13日号の論文1で、非不胎化介入による一段の金融緩和を提言されている。 浜田氏の議論は、三つの主張に集約される。①変動相場制のもとでは、内需の回復が進むと円高が生じ、外需を抑制して景気(回復)の芽を摘む可能性があるため、円高防止の介入が必要。②介入を不胎化してしまうと介入の有効性がほとんど失われるため、景気のいかんによっては、日本銀行は短期金融市場が乱されない範囲において不胎化を控えるべき。③日銀が不胎化なしの介入をする可能性があると考えれば、円高が一方的に進まないとの期待が生まれるので、介入の非不胎化が必要。 しかし、浜田氏の議論には、幾つかの重要な見落としがある。本稿では、浜田氏の上記の三つの主張を手掛かりとして、金融政策が直面している問題を再検討してみたい。 浜田論文3つの主張への反論 主張1:「内需の回復による円高防止のための介入
8月31日、池田財務副大臣は、為替介入を実施した場合には、日銀は介入した資金を吸収すべきではないとの考えを示した。都内の日銀本店前で2008年12月撮影(2010年 ロイター/Yuriko Nakao) [東京 31日 ロイター] 池田元久財務副大臣は31日、都内で開催された「デフレ脱却国民会議」のシンポジウムに出席し、最近の円高は日本経済に大変なマイナスであり、対処が必要と強調した。為替が急激に変動した場合には「断固たる措置をとらなければいけない」とし、「断固たる措置」について「与えられた権能であり、選択肢として排除しない」と介入の可能性を示唆。 為替介入を実施した場合には「日銀は非不胎化をしっかりやってもらわなければならない」と述べ、介入した資金を日銀は吸収すべきではないとの考えを示した。 池田財務副大臣は、対ドルで15年ぶりの水準で推移している最近の円高について「相場についてはコメン
日銀総裁人事が近づくにつれて、日銀の金融緩和政策でインフレを喚起すべきだ、という議論(インフレターゲット論)が活発になってきた。インフレターゲット論とは何か、その背景と効果を考える。 バブル崩壊後の12年間、相次ぐ景気対策と経済低迷による税収不足で、日本の政府債務残高は約700兆円(国内総生産の約1.4倍)に達している。 何かしなければ景気は良くならない。財政政策(公共事業や減税)による景気刺激は、膨らんだ財政赤字を考えても、もう無理だから、その肩代わりを日銀の金融緩和でしてもらいたい、というのがインフレターゲット論が出てきた背景だ。 また、欧米の経済学界では、景気変動を緩和するためには、財政政策ではなく、中央銀行の金融政策で対応すべきだ、という議論が主流だ。これも、日銀にインフレターゲットを迫る根拠とされる。 「デフレが不況の主因だ」というのがインフレターゲット論の前提だ。そのメカニズム
土居丈朗 @takero_doi 週刊東洋経済の記事に関連し、金融政策はデフレ対策を、財政政策は早期の増税を含む徹底した財政健全化を。日銀はデフレを直ちに止めるに足る金融政策が必要だが、政府債務をインフレ税で返すのは言語道断! http://bit.ly/TYK100710 #tax #defle #zaisei 2010-07-03 22:01:52 土居丈朗 @takero_doi 日銀は、政府債務をインフレで事実上償還していると見られないようにするためにも、直ちにデフレを止めるべくコミットのある政策を。政府は、コミットした財政健全化を実施すべく早期の増税を。増税によるデフレ圧力は、日銀の金融政策で対応すべき。 #defle #zaisei 2010-07-03 22:04:29 岩本康志 @iwmtyss デフレ脱却すべし,に異論ないですが,どうして,インフレで償還していると見られな
[東京 12日 ロイター] ギリシャの財政危機問題を受けて日銀は、リーマンショック後以来となる2兆円の即日資金供給オペを7日、10日と2営業日連続で実施した。 国内の短期金融市場で予防的な資金需要が乏しい中、いずれも応札額が通知額を下回る札割れとなったが、欧州で表面化しそうになったドルの流動性危機に対し、日銀が積極果敢に対応する姿勢を示したのではないかとの見方が、市場の一部で出ている。その一方で、先進国で最悪の財政状況にある日本がギリシャの次に標的にされないよう先手を打って対応し、投機筋への断固たる姿勢をあらかじめ示した可能性があるとの観測も浮上している。 日銀による2営業日連続の即日資金供給オペは、リーマンショック直後の2008年10月以来、約1年半ぶりとなる異例の措置だ。 今回の日銀の対応について、日興コーディアル証券・チーフ債券ストラテジストの野村真司氏は「欧州中央銀行(ECB)など
[東京 10日 ロイター] 日銀は10日開催の臨時金融政策決定会合で、米連邦準備理事会(FRB)との間でドルスワップ取極を再締結すること、米ドル資金供給オペの実施体制をあらためて整備することを決定した。 日銀は、今後とも適切な金融市場調節を通じて市場の安定確保に努めていく方針、としている。 日銀はまた、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.1%前後に据え置くことを全員一致(白川方明総裁は欠席)で決定した。 FRBとのドルスワップ取極については、ニューヨーク連邦準備銀行が日銀に米ドルを供給、日銀がニューヨーク連銀に円貨を供給する為替スワップ取引で、有効期限(貸出可能期限)は2011年1月31日まで、引き出し限度額は設定しないとした。 ドル資金供給オペについて日銀は、最近の国際金融市場の状況と、これが円市場の流動性に及ぼし得る影響に鑑み「金融調節の一層の円滑化を図るとともに、金融
総裁は現在の日本の金融政策について、インフレターゲットの採用国と非採用国のよいところを採っており、現状の枠組みは最適との考えを示した。 <金融危機通じて、インフレターゲットに反省気運も> インフレターゲットについて白川総裁は「採用しているかどうかは、金融政策の枠組みを議論するうえで意味のある論点あるいは切り口ではなくなっているという印象がある」と述べ、物価ターゲットや目標の設定に否定的な見方を示した。 現在の日銀の枠組みについては、インフレターゲットを採用している中央銀行の良い部分、採用していない中銀の良い部分を組み込んでいるとしたうえで「現状では、この日銀の枠組みが最適」との考えを示した。 菅直人財務相は16日の国会答弁で、日銀が「中長期的な物価安定の理解」で前年比1%程度の上昇を中長期的な安定としていることについて「(政府も)その程度を政策的な目標にすべきと考えている」としたうえで、1
日銀の山口広秀副総裁は5日の衆院予算委員会で、長期国債の買い取り額を増やして市場への資金供給を拡大する金融緩和策に関し、「財政面に対するファイナンス(財源の確保)と誤解されれば、市場にかく乱的な影響を与える可能性が高い」と述べ、慎重な姿勢を示した。 池田元久氏(民主)の質問に答えた。日銀は、長期国債の保有残高の上限を、発行している銀行券(紙幣)の残高とする「銀行券ルール」を設定している。これに対し池田氏は「法律でも規則でもない」と撤廃を主張し、事実上、長期国債の買い取り増額などの金融緩和策を実施するよう求めた。 ただ、日銀には「銀行券ルールを撤廃すれば、財政規律の悪化懸念から長期金利の急騰などを招きかねない」との懸念が強い。山口副総裁は「長期国債買い入れの考え方を明確にすることが市場の安定化に大事だ」と指摘した。【清水憲司】
[東京 29日 ロイター] デフレ克服に向けて、日銀包囲網が強まった。通常国会冒頭の政府4演説のうち、鳩山由紀夫首相、菅直人副総理兼財務・経済財政担当相が相次いで金融政策への期待感を表明した。 政府は夏の参院選に向けて景気の失速だけは避けたいところ。財政政策に手詰まり感がある中で、金融政策への期待を強めており、超緩和的政策を粘り強く続けるとする日銀との対立が先鋭化する可能性も出てきた。 デフレ下で政府が金融政策への期待感を表明するのは常とう手段とも言え、過去の経済演説でも、たびたび日銀への「期待」や「要請」が示されている。一部で報道されたように今回が決して異例のことではない。 しかし、鳩山首相が日銀と一体となって「より強力かつ総合的な」経済政策を推進すると政策強化を訴え、菅直人副総理兼財務・経済財政担当相も同調。デフレ克服に向けて日銀には「適切かつ機動的な金融政策の運営によって経済を下支え
明けましておめでとうございます。 今年が、日本と国民にとって良い一年になりますように。 年末年始はさすがに何かと慌ただしく、ブログの更新が十分出来ないままに過ぎてしまいました。 神社仏閣を回って初詣客の皆さまに年始のご挨拶をしたのを始め、ニューイヤー駅伝スタート地点でのご挨拶、年始回りなど、息つく暇もなく時間が過ぎていきます。正月気分はなかなか味わえそうにありません。 考えてみれば、この3年、年末年始に休んだ記憶がほとんどありません。新聞記者時代も忙しかったのですが、それでも(時期はズレるにせよ)数日は休めたものでしたが。 さて、鳩山新政権も今年が正念場です。通常国会では初めての予算を通さなければなりませんし、硬直化した国の仕組みを変えるための重要な法案が大量に提出されます。 天下分け目の参院選もあります。これには絶対に、勝たなければなりません。 なにより、脱デフレを実現し、国民生活を安定
12月1日、日銀が10兆円規模の量的金融緩和を発表しました。メディア報道では、「10兆円では、Too Little Too Lateだ!」などと、「極めて情緒的な混乱報道」がなされているようです。こういった「混乱」報道は、「何にとって、Too Lateだったのか?」「誰に対して、Too Littleだったのか?」という観点が抜け落ちているから起きていることなのです。 けれども、私たちは、決して見誤ってはいけません。日銀は、そもそも、「物価(企業卸売物価・消費者物価)の番人」なのです。日本株式市場や日本国内の不動産市場などの「資産価格」に対して、日銀は責任を負ってはいません。各国中央銀行が、ポピュリズムに流されて、国内の資産価格に責任を負うようになると、何が起きるのか? 以下、三重野元日銀総裁の失敗例と、グリーンスパン前FRB議長の成功し過ぎてしまった失敗例の二つを挙げて、過去の「各国中央銀
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