身につけたい良い習慣としてフランクリンが挙げた「フランクリンの十三徳」。しかしその実践はフランクリン自身も困難だった。それでも、実践しようとする意志がもたらしたものがある。 リン・G. ロビンズ『フランクリン自伝』(岩波書店刊) しかし、やがて私は思ったよりずっと困難な仕事に手をつけたことに気がついた。何かある過ちに陥らぬように用心していると、思いもよらず、他の過ちを犯すことがよくあったし、うっかりしていると習慣がつけこんで来るし、性癖のほうが強くて理性では抑えつけられないこともちょくちょくある始末だった。 そこで私はとうとう次のような結論に達した。完全に道徳を守ることは、同時に自分の利益でもあるというような、単に理論上の信念だけでは過失を防ぐことはとうていできない。確実に、不変に、つねに正道を踏んで違わぬという自信を少しでもうるためには、まずそれに反する習慣を打破し、良い習慣を作ってこれ
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