「今年入社した新人が契約を取れずにいる。助けてもらえないか」――ある女性はこんな電話を受け、気の毒に思って520万円を支払った。「1カ月後を楽しみにしてください」と言われていたが、突然「負けが込んできたので、やめましょう」「80万円しか残っていない」と連絡があって驚いた。彼女は預金のつもりで520万円を支払ったのだが、全額が戻ってくる可能性は低い。 これは国民生活センターに寄せられた悪質業者による「ロコ・ロンドン金取引」の相談事例だ。ロコ・ロンドン金取引とは、消費者が業者に証拠金を預け、その証拠金の何十倍もの取引を行うというもの。ロンドン市場の金価格の変動によって、利益や損失が違ってくる。だが悪質業者の手口として、消費者が利益を得ていれば「損が出るまで投資を続けさせ」、損失が出れば「追加の証拠金などを要求」し、被害額を膨らませるケースがある。 このほか、未公開株や投資組合等への出資などの金