JR王子駅付近の沿線火災では首都圏を貫く大動脈に大きな混乱を招き、約22万4千人の足に乱れが生じた。現場付近が有数の鉄道並走区間だったことに加え、安全運行に欠かせない信号ケーブルなどが損傷したため、被害が拡大した。 火災現場近くの同駅付近は、JRの京浜東北線や宇都宮線、高崎線の電車が並走。さらに、火災現場に最も近い東北貨物線の線路を湘南新宿ラインの電車や、東武線に直通する観光特急などが走っている。 JR東日本東京支社などによると、火災の影響で線路の隣に敷設された信号ケーブルや送電線の一部が損傷。電車に電気を送る「架線」の一部も黒く焦げたため、部品の交換などが必要になったという。東北・上越新幹線も現場付近を並走しているが、信号ケーブルなどが在来線とは別系統だったため影響がなかった。 JRではケーブルなどの復旧作業を急ぎ、湘南新宿ラインを除く各線は約5時間で順次運転を再開した。 一方、湘南新宿