山本昌にとって引退の線引きは、「先発投手として機能できるか否か」にあった。 現に'12年は47歳ながら3勝をマークし、'13年には前年を上回る5勝。昨年は1勝に終わったものの、それが国内の最年長勝利記録を塗り替える大きな勝利となった。「大ベテラン」と呼ばれるようになってからも、山本昌は先発として勝ち続けてきた。 今季も山本昌本人が「例年以上にボールがきている」と言っていたように、先発として投げられることをキャンプからアピールしていた。3月3日のソフトバンクとの教育リーグで、たった1球で右膝を痛めリハビリ生活を余儀なくされても、「6月には二軍だけど先発するから。状態はね、全然いいよ」と笑顔で話していた彼の様子からは、虚勢の色は全く窺えなかった。事実、6月に実戦復帰を果たしてからは、7試合26回2/3を投げ防御率2.36と安定感を示していた。 だが、8月9日のヤクルト戦でも、たった1球に