(前回から読む) ―― 人間の欲望を支えるのが大衆文化であるというお話をうかがいました。大衆文化の中で、アニメが持つ強み、今の10代にまで届く強みはどんなところにあると思いますか。 谷口: アニメーションというのは、頭の中のイメージ情報を整理して映像にできるジャンルだと思っています。平面のシンプルな線に置き換えられている、ということは、絵としては情報が1回咀嚼されて整理されているということなんですね。つまり、絵としてどこを残すのか、どこを強調するのか、作り手の演出というフィルターを通って観る側に届けられるわけで、その良さはあると思うんです。 ―― 情報が単純化されているので伝わりやすいのですね。前に「記号を入れる」というお話をうかがいましたが、「メガネキャラ」など、アニメの持つ「記号」も、絵の情報が咀嚼されたものと考えて良いのでしょうか。 アニメの武器を実写が使いこなすようになってきた 谷