「そよ風のように街に出よう」――この言葉をぼくが知ったのは、いつごろのことだっただろう。 雑誌のタイトルとして知ったのか、障害者運動のスローガンとして知ったのか、それも今では定かではない。だが、素敵な言葉だな、と思ったことだけは覚えている。 そして、これはゲイ・リブのあり方にもあてままる考え方だと、とっさに感じとったこともはっきり覚えている。 ゲイ・リブの運動の中で、ぼくたちはそれを「カムアウト」「カミングアウト」と言っている。押し入れ(クローゼット)から出て(カムアウト)、自分が同性愛者であることを社会に向かって公言することだ。 社会と言っても、それは親しい友人であったり、兄弟姉妹であったり、職場や地域社会であったり、マスコミ等を通じての不特定多数の人びとを視野に入れた社会であったり、そして、自分の親であったり、 それぞれのケースによってさまざまな「社会」が想定される。 血液製剤に