築地市場の豊洲移転問題 イオンやイトーヨーカ堂に価格決定力を奪われつつある 築地市場の取扱量が減少しジリ貧になると、そのほかの問題も浮上してくる。 コマの価値である。築地市場の売り場は1600カ所にコマ割りされており、そのコマ割りに沿って中卸が店舗を構えている。1コマの間口は1.8メートル(奥行き3.6メートル)。2コマ使っている店舗が多い。中には5コマ、10コマを有する大店もある。浅草寺につづく仲見世を想像してもらうとわかりやすいかもしれない。 このコマの権利は、相撲の親方株のように相場で売買される。バブルのときには1コマ1億円にもなったそうだ。しかしいまは、1コマ500〜700万円くらいにまで相場が下がっている。2コマ持っていても1200〜1400万円程度だ。築地市場自体がジリ貧になれば相場も下がる。これでは、権利を売ろうとしても、担保価値が薄く、あまり金にならない。築地市場自体が不景