オンプレミスシステムの象徴のような存在だった銀行の勘定系システムがついに変わり始めた。パブリッククラウドの上で動く「クラウド勘定系」を採用する銀行が出始めた。FinTechを巡る新興勢との戦いや低金利政策に苦しむ銀行の救世主となるか。 銀行のなかでも地銀の危機感はさらに強い。金融庁によると、貸し出しなど本業が2期以上連続して赤字だった地銀は半数弱に上る。地銀の営業経費のうち、システム関連費用は2割程度を占めるとされる。NTTデータ元副社長で、金融IT子会社NTTデータシステム技術の社長を務める植木英次氏は「ITコスト削減が第一だ」とみる。 そんななか、石川県を地盤とする北國銀行が他の地銀に先駆けてクラウド勘定系の導入に動いた。日本ユニシスのオープン勘定系パッケージ「Bank Vision」を米マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」で動かす方針だ。2021年5月の