勤務先から約5億円をだまし取ったとして電子計算機使用詐欺罪に問われた工業用ゴム販売大手「シバタ」(東京都墨田区)の元経理係長、栗田守紀(もりとし)被告(33)は10日、東京地裁(山崎威裁判官)での被告人質問で、着服金の大半をキャバクラ勤めの女性に送金した理由について「結婚したかった」と述べた。 被告は02年、東京・亀有のキャバクラで女性と知り合い、ドライブなどに行く仲になった。03年、女性に「胃がんになり入通院費がかかる」と言われ、最初に30万円を振り込んだ。間もなく「面会謝絶」を理由に会う機会はほぼなくなったが、メールで振り込み要求は続き、額も数百万単位に。被告が不審を抱くと女性からは「自殺する」などと返信があり、結局、被告は会社からの着服と女性への振り込みを重ねた。 だが、入通院の事実はなく、女性は遊興費に流用。弁護側の質問に「(病気を治して)元気になってほしかった。だまされたという思