まとめとは? 日常的な身の回りの出来事から、世界を揺るがすニュースまで、本が扱うテーマは森羅万象。四季折々の年間イベント、仕事、暮らし、遊び、生きること、死ぬこと……。さまざまなテーマに沿う本の扉をご用意しました。扉を開くと読書の興味がどこにあるのか見えてきます。
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1990年代以降、『窯変源氏物語』8000枚、『双調平家物語』9000枚と日本文学最大の古典の小説化に挑みつづけ、ここ15年は現代に生きる男女を主人公に短篇小説を書きついできた橋本治さん。初の純文学長篇『巡礼』が、いよいよ刊行となります。 ふつうの人たちの戦後 ――『巡礼』の主人公はゴミ屋敷に暮らす忠市という老人です。なぜゴミ屋敷を書こうと思われたのですか。 橋本 私は商家の息子ですから、社会が変わり、それまでの商売がなりたたなくなったとき、空回りしたエネルギーはどこにいくんだろうというのがずっと気になっていたんです。ある人の場合、それがゴミ集めに向かうかもしれない。ひとつの時代を生きていた人が、その時代のまま見捨てられていくなら、そういうことも起こりうるのではないかと思った。書いていると、怖くなってくるんですよ。自分もいつそうなるかわからない。ほこりはつもっていくし、資料は山積みだし
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