カウンセリングは歴史的な研究体系の上に乗った行為であり,その醍醐味は相談者の自発的行動を促すとともに心理的なカタルシス(心の浄化作用)をもたらすことにある。特に悩み,苦しみ,迷いといった精神的な負担を負った相談者に効果的である。ただし,カウンセリングは一朝一夕にできるものではない。カウンセリングは“スキル”と言われることが多いが,継続的で長期の訓練(実習・体験)から身に付くことからして単なるスキルではなく“習慣”という見方もできる。つまり一人前のカウンセラーになるには,理論学習と長い期間にわたる訓練が必要となる。メンタルヘルスの維持が叫ばれる今日,うつの予防や予見の観点からも,カウンセラーを配置する組織や機関が急増している。ただし,とても大切なことはカウンセラーは医者ではないということである。ユースアドバイザーの皆さんがカウンセリングの訓練や勉強に取り組んでいただくことは大変良いことだが,