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本来であれば昨年12月初旬には書き上げ、最速では年末には掲載予定だったのにもかかわらず、その年末が到来しても入稿できないまま越年し、さらに旬日を経過してようやく送稿する、という編集者としても出版社としても破廉恥きわまりない所業となりました。 2年前にも落としたことがあるのに、再度ご依頼くださった版元ドットコム事務局のTさん、誠に申しわけありません。恥の多い人生を送っています。これに懲りてもう二度と著者訳者にえらそうに原稿の督促なんていたしません! ☆ というように、いっぱしに「出版社をやっています」という顔をしているくせに、本当は古書に囲まれたカビ臭い部屋に引きこもって史料とくんずほぐれつしたり、美麗な本であれば頬ずりしたり矯めつ眇めつしたり、そんなことだけしながら暮らしたい……と老後を夢みているような人間にとって、昨年来のコロナ禍では飲みに出歩く機会と宿酔の時間が激減したぶんだけ、順調な
古代文明から現代の経済発展までを描いた「中国の歴史」全12巻が、10月から講談社学術文庫で刊行されました。2004年から05年にハードカバー版で刊行されたこのシリーズは、中国・台湾でも翻訳出版され、累計部数は150万部に達しています。壮大な中国通史の何が人々をひきつけるのか、今の中国を読み解くカギをどう歴史に求めるべきか。シリーズの編集委員をつとめた鶴間和幸氏(中国古代史)と、執筆者の一人である天児慧氏(現代中国論)に語っていただきました。 なぜ、中国でウケたのか? 鶴間 天児先生がこのシリーズで執筆されたのは、現代中国をとりあげた第11巻『巨龍の胎動』ですが、刊行から16年たって、もはや胎動ではなく、まさに巨龍が世界の中心になりつつあります。 当時は、まさかこんなに早く中国が世界で大きな存在になるとは予想できませんでした。正直なところ、いまの中国の姿には驚いています。 天児 おっしゃると
ハンコとサイン(矢越葉子)正倉院文書のハンコ 昨今、行政手続き上の「脱ハンコ」が話題になっているが、現代では納税や婚姻といった公的な手続きのみならず、会社や銀行での事務手続き、果ては宅配便の受け取りや子供の学校の連絡帳にまで印が利用されている。このように「ハンコ文化」と称されるほど印が広く一般に利用されるようになったのは近世以降とされるが、それ以前の社会ではどうであったのか。 古代におけるハンコ(印)の利用を考える上で手がかりになるのが奈良・正倉院宝庫に伝来した正倉院文書である。周知の通り、日本最初の印は後漢の光武帝から建武中元2年(57)に贈られた「漢委奴国王」の金印であるが、その次に現れる実物の印は正倉院文書中に残る大宝2年(702)の筑前・豊前・豊後の三国の戸籍(西海道戸籍)に踏印された諸国印である。同じく大宝2年の戸籍としては美濃国の戸籍(御野国戸籍)も現存しているものの、こちらに
オンラインセミナー「和書からさぐる!お江戸のサイエンスとライブラリー」Q&Aブログ 江戸博士が質問に答える!江戸の百科事典『和漢三才図会』の世界(福井 智一) 去る2020年8月9日、日本科学未来館と国文学研究資料館がコラボして、オンラインセミナー「和書からさぐる!お江戸のサイエンスとライブラリー」を開催しました。江戸の博物学と呼ばれる「本草学」と、江戸時代の読書事情について、国文学研究資料館教授の入口敦志さんと、人間文化研究機構総合情報発信センター研究員(人文知コミュニケーター) で、国文学研究資料館 特任助教でもある粂汐里さん、そしてわたくし日本科学未来館の科学コミュニケーター福井智一の3人でお送りしました。途中通信トラブルでご迷惑をおかけすることもありましたが、総勢359人もの方に参加いただき、100を超える質問もいただきました。 本記事では、そんなセミナー中に参加者から頂いた質問を
『琉球船漂着者の「聞書」世界 「大島筆記」翻刻と研究』島村幸一編 勉誠出版・11000円 意図せず日本に漂着した琉球人が、対応に当たった日本人らに語ったこととは何か。本書は、18世紀に土佐藩に漂着した琉球人の供述書を中心に、近世日本にもたらされた琉球と中国情報の内実に迫るものである。本書の特長は、1762年に土佐宿毛(高知県宿毛市)の大島につなぎ止められた琉球漂着船の乗組員からの聞き取りなどを基にまとめた『大島筆記』を始めとする漂着関係資料の翻刻と研究を総合的に行った点にある。編者が近世琉球全般のまとまった地誌資料と評するように、『大島筆記』は、18世紀の琉球の風俗・年中行事・産物・文芸などの情報を網羅した豊かな世界を持っている資料と言える。そのほか中国情報も多岐にわたって記載されており、一級資料とみて間違いない。 本書は、漂着資料を活字化した翻刻編と、論文をまとめた研究編の二部で構成され
【約100年前に記録された貴重な調査報告書。今こそ読み直すべき一冊!】 1918年から20年にかけて世界中で猛威をふるった史上最悪の感染症、スペイン・インフルエンザ。主として日本におけるその流行の状況、予防、病理等をつぶさに記録した貴重な調査報告書。 ※ 2020年4月27日 更新 お待たせしました! 重版出来ました。 本書は全国の書店にてご注文可能です。 なお、引き続き、オンデマンド版は下記のリンク先でお求めいただけます。 ●honto https://honto.jp/netstore/pd-book_30249550.html ●amazon https://amzn.to/2JnMsvx
「小僧」という言葉も最近は聞かれなくなった。「鼠小僧」や「弁天小僧」など、フィクションの主人公や公園の「小便小僧」ぐらいか。手元の「新明解国語辞典」(三省堂)には(1)修行中の、年若い僧(2)商店などに見習い奉公している若者(3)未経験なくせに生意気な若者や、いたずらばかりして手に負えない子供――とある。「小僧=丁稚」と書いている辞書もあれば、「丁稚は、小僧などを含む慣習のこと」とする説もある。共通しているのは未熟な若者ということだろう。今回の主人公は(2)だが、その“反乱”は1928年3月14日付朝刊に大きく取り上げられた。 「犯行行為の先触れ」は円本合戦の最中だった 「円本合戦の最中に 二書店の罷業騒ぎ 軒を並べた神田の書店街で 岩波は遂に休業」。この見出しの記事は東京朝日の社会面トップで、書き出しはこうだ。 「神田書籍街の大店、南神保町の岩波書店と向かい側なる仲猿楽町の巖松堂に、ほと
なぜ、本を読むのか? Why do we need to read books なぜ、本を読むのか?本書『読書人カレッジ2022』の執筆者の一人である明石健五は、それを「考えるため」であると言います。 ある未知のものに出会ったとき、そこに驚きと感動が生まれる。そうして、初めて自分なりに思考することができ、それを人に伝えることができるようにもなる。 そういう過程を生きられる人のことを、「知性ある人」というのではないか。では、「知性」を自らのものにするためにはどうすればいいのか。繰り返しになりますが、「読み」「考え」「書く」ことを通してしか感得できないのではないか。 新しい出来事や局面に出会い、答えのない問題を考えることで鍛えられていくものが、確かにある。そういう問題は、すぐれた本の中にいくつも見つけることができます。 繰り返し考えることによって、自分の思考を鍛えていく。それによって、今の世の
トップ > ニュース一覧 > 『続・人類と感染症の歴史』の第9章「SARSとMERS」を公開します。 『続・人類と感染症の歴史』の第9章「SARSとMERS」を公開します。 2019年末より中国湖北省武漢市でコロナウイルスによる新型肺炎の感染が確認されました。2020年には日本国内でも感染が確認され、現在もその影響の拡大が報道されています。それを受けて小社では同じコロナウイルスが原因とされる感染症である、SARSとMERSに関する知見をより多くの方に提供することが、恐れ過ぎず、冷静な対応ができる一助になると考え、著者である加藤茂孝先生のご厚意により、2018年に刊行した『続・人類と感染症の歴史-新たな恐怖に備える』より「第9章 SARSとMERS-コロナウイルスによる重症呼吸器疾患」を公開いたします。 権利の関係で一部の画像を非公開にしております。2020年7月までの公開を予定していますが
犬からみた人類史 作者: 大石高典,近藤祉秋,池田光穂出版社/メーカー: 勉誠出版発売日: 2019/05/25メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 本書は犬という視点から人類史を見るというテーマで様々な分野の研究者から寄せられた論考を集めたアンソロジーだ.3部構成で第1部は「犬革命」と称して犬の誕生から先史時代まで,第2部は「犬と人との社会史」で前近代から近代まで,第3部は「犬と人の未来学」で現代から未来までを扱う.犬から見たという視点が面白いし,普段読まないような分野の文章も読むことができていろいろ楽しい本だ. 第1部 犬革命 イヌの特徴である吠えるという行動がどうして進化したのか,狩猟採集民の遊動型狩猟におけるイヌの役割,縄文人のイヌの使い方,イヌの性格と遺伝子,イヌとヒトの視線のやりとり,犬の比較神話学という論考が並ぶ. 最初の「イヌはなぜ吠えるか」(第1章)という論考は面
戦後まもないころに書かれた「世界史」「日本史」の教本はどんな内容だったのか? 山川出版社は『復刻版 世界史概観』『復刻版 日本史概観』(公益財団法人史学会編)を発売中だ。1949(昭和24)年に『世界史概観』、50(昭和25)年に『日本史概観』を出版、両書を原型に教科書の発行へとつなぎ、今では高校の歴史教科書で第1位のシェア(2018年度世界史・日本史)を獲得するに至っている。 両書が編集されたのは戦後、高等学校に社会科が新設され「世界史」が履修されることになり、「日本史」の授業も再開されることになった時期だ。戦前の中学校では「国史」「東洋史」「西洋史」という区分になっており、「世界史」の概念自体がなかったという。 いま読みなおすと新鮮な発見がありそうだ。 復刻版は内容の完全な再現にこだわり、紙面は当時と同じ縦書き。活版印刷の文字、手書きの地図など刊行当時のまま。文字を読みやすくするため、
拙著,『三国志の考古学―出土資料からみた三国志と三国時代―』が,東方書店から刊行されました(東方選書52,本体価格2,000円,4-497-21913-8).本ブログ,このところ画像アップ機能が働かないので,写真はありません.自分が「三国志」をタイトルにした本を書くことになるとは思ってもいませんでしたが,亳州市の曹氏一族墓出土の刻字塼を扱ったのはもう四半世紀も昔のことでした.そしてそれ以来,朱然墓の名刺簡,河西の塼画墓(とくに曹魏末の嘉峪関新城一号墓),そして何よりも長沙走馬楼呉簡などなどとも20年近くつき合って来ました.これらの一次史料群に加え,後代のトゥルファン出土墓誌や敦煌出土鎮墓瓶(銘)などにも登場してもらい,出土資料(その多くは出土文字資料ですが)を最大限活用しながら,三国志と三国時代について考えてみたものです.曹操墓の高陵や朱然墓などからの出土資料にもそれぞれ一章を割きましたが
いだてんっていうドラマが放送されているのを知って、かなり昔に聞いたか観たか読んだかした真偽不明の話を思い出した。 明治時代、あるオッさんが人力車の車夫を集め、メダル狙いでオリンピックに出場させようとするんだけど、アマチュアリズム(プロは参加できない)が理由で参加できなかったというものだ。スポーツは貴族のものだったから、車夫なんてもっての外っていう感じである。テレビで観たのか、本で読んだのか、フィクションだったのか、私の妄想なのか全く記憶にない。 この話が明治のフィクションだとは、考えられない。明治の中頃に車夫が物語で活躍することはわりとあったが、その際に好んで使われたモチーフは本を読む車夫というものだ。今は車夫をしているが、学校を卒業して偉くなるぞといった雰囲気で、要するに苦学生を描いているわけである。車夫の身体能力を中心に据えた物語というのはかなり少ないというか、ほぼないような気がする。
■書物への愛、執念伝える 本屋というと、新刊本が並ぶ店先を思い浮かべる。しかし、江戸時代の本屋は基本的に古本屋だった。 「出版もすれば問屋にもなる。新刊も古書も売買する。本に関することは何でもするが、経営基盤は古本業務でした」 これまで注目されてこなかったその実態を、本屋の日記や同業者団体である本屋仲間の記録など多くの史料に当たって究明した。明治初期までに日本で出た「和本」の魅力を伝える著作の4作目となる。 もともと本好きで、学生時代のアルバイトは新刊書店や、出版社の倉庫係。和本などを専門とする東京・神田神保町の古書店・誠心堂書店の娘と結婚して古書の道へ。15年ほど前に大病をして、「世間の皆さんにお役に立つことをしたいと人生観が変わり」執筆に励むことになった。 和本を通じて感じるのは日本人の書物への愛だ。 「『源氏物語』がいま読めるのは、書き写してくれた人たちがいたから。しかも、後代のため
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