日本では、うつ病・躁うつ病の患者が増加している(図録2150参照)。一般には、豊かで複雑な社会となりストレスが高まってきたので、こうした疾患も増加していると見なされている。それでは、世界各国で、うつ病・躁うつ病と豊かさとは相関があるのであろうか。 WHOでは、うつ病・躁うつ病他の総ての病気や傷害によってどれだけ寿命・健康が失われているかを示すDALY値が推計されている。これと各国の豊かさを示す1人当たりのGDP(PPP・購買力平価ベース)との相関図を描いた(DALYについては図録2050参照)。 結果を見ると病気の絶対水準では豊かさと相関は特にないが、相対水準では豊かさと相関しているということを示す図が得られた。 豊かな国かそうでないかによって、うつ病・躁うつ病による寿命・健康ロスの絶対水準(人口10万人当たりのロス年数)には差がない。うつ病・躁うつ病による健康被害が深刻な国としては、ギリ