『フランス・フットボール』誌10月23日発売号では、アルジェリアサッカーのショッキングな実態が明らかにされている。同誌がフランスで独占的に掲載する英国BBCの長期にわたる調査が、日常的に不正が蔓延するアルジェリアの状況を白日のもとに晒しだしたのだった。 恐らくは世界でも最も不正とは縁遠い日本サッカーに慣れ親しんでいる読者の皆さんには、遠い世界の出来事にしか感じられないかも知れない。実際その通りでもあるのだが、逆に言えばフィリップ・オクレール記者が描き出しているアルジェリアの現実は、多かれ少なかれ世界のどこでも起こっている現実でもある。その生々しさを多少なりとも感じて欲しい。 監修:田村修一 「八百長」ではなく「調整」。 ハレド(仮名)にとってシーズンのはじまりは8月半ばではない。そろそろクラブの命運が決まり始める2月が彼にとってのシーズンのはじまりであり、会長たちがタイトルの獲得や降格の心