20年前、熊本県にある国立ハンセン病療養所に入所していた人たちが、県内の温泉ホテルから宿泊を拒否される問題が起きました。根深く残っていた差別と偏見。この問題に直面した入所者と当時の熊本県知事が、かつての経験を振り返りました。 (熊本放送局 記者 西村雄介) 名誉回復の判決があっても 菊池恵楓園の入所者でつくる自治会の太田明(おおた・あきら)さんです。当時、宿泊拒否をしたホテル側と直接話し合うなど、みずから前面に立って問題の対応にあたりました。 20年前の2003年11月。園の入所者たちが、県の事業で訪問予定だった県内の温泉ホテルに宿泊を拒否される問題が起きました。理由は「ハンセン病の元患者は宿泊させることはできない」「他の客に迷惑がかかる」といったものでした。