リフレ派(だったはずの)原田泰日銀審議委員が都内の後援会で述べた、ナチス・ドイツの経済政策の政治効果についての持論が取り上げられている*1。以前から繰り返している「インフレもデフレも悪いが、デフレの方がより悪い」*2と言う二元論的リフレ派論法の一つだ。色々と問題があるのだが、ネット界隈のリフレ派には「原田発言のどこが問題なのか全くわからない」と言い出す人がいるので、分かりやすい問題点を指摘しよう。ヒットラーは雇用改善の前に独裁体制を確立している。 日付の問題である。原田氏は「ヒトラーが正しい財政・金融政策をやらなければ、一時的に政権を取ったかもしれないが、国民はヒトラーの言うことをそれ以上、聞かなかっただろう」と言っているのだが、ナチスが第一党になるのは1932年7月で、ヒットラー内閣ができるのは1933年1月。次の選挙で大勝し、全権委任法で地盤を固めるのは1933年3月になる。政権取得後
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