在特会への街頭宣伝禁止と賠償を命じる判決を受けた集会で、支援者に向かって話す京都朝鮮学園の孫智正理事長(左から2人目)ら ヘイトスピーチに「公益目的があった」―。そう断言した刑事裁判の一審判決に波紋が広がっている。北朝鮮による拉致事件をテーマにした街宣だから公益性がある、という理屈だ。なぜこんな判決が下ったのか? 近く始まる控訴審を前に、関係者を取材した。(共同通信ヘイト問題取材班) ▽過去にもたびたびターゲットに 「ちょっと前までね、ここ、空き地になっているでしょ。ここにね、日本人を拉致した朝鮮学校があったんですね」「これはもう警察庁にも認定されて、その朝鮮学校の校長ですね、日本人拉致した、国際指名手配されております」。2017年4月23日、幼い子どもたちが遊ぶ夕方の公園で、黒いサングラス姿の男が約10分間、拡声器を手に歩き回った。 街宣があったのは京都朝鮮第一初級学校跡地近くの勧進橋児