ラトビア1部リーグ・FKイェルガヴァでコーチという肩書きを持ち、日本人初となる欧州1部リーグ監督を目指す中野遼太郎氏による連載『フットボールの「機上の空論」』。今回のテーマは選手の「市場価値」について。4カ国を渡り歩いた現役生活では自らを売り込み、契約に至るまで全て1人で行ってきたという中野氏が考える、プロとして必要な心構えとは。 僕は10年間のささやかな現役生活において、そのすべてを海外で過ごしました。 しかし選手としての力不足から「あなたと契約したい」というマネジメント会社がなかったので、そのほとんどの移籍と契約を自分で管理することになりました。この経験は僕にたくさんの財産をくれましたが、もし僕がとても有能で、そのような仲介業にあたる人々から「積極的に」求められる、もっといえば争奪戦になるような人材であったならば、確実にそういったプロの組織に仕事を預けることを選ぶ、ということは、最初に