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ブックマーク / agora-web.jp (73)

  • 「反知性主義」に追いつめられる「戦後主流派」

    ■「反知性主義」はバカの代名詞? ここところ、「安倍晋三的なるもの」を反知性主義と呼ぶキャンペーンが内田樹氏らを中心に(?)行われていて、安保法制賛成派は誰でももれなく「反知性主義」とするかの動きがあった。 そもそも「反知性主義」とは「インテリに対する懐疑」を示す言葉で、『反知性主義』の著者である森あんり氏の言うように、(アメリカの事例を引いて使う以上は)必ずしもネガティブなだけの言葉ではない。 それを「バカの代名詞」の如く使う向きに、様々な指摘がなされている。 山形浩生氏「反知性主義3 Part 1: 内田編『日の反知性主義』は編者のオレ様節が痛々しく浮いた、よじれた。」 岩田温氏「宗教的情熱こそが「反知性主義」の原点である」 内田氏たちが、「反知性主義」を「バカ」「無知」の代名詞の如く使い、それも右派のみ対象にしたのは、元々の意味を知らないのか、敢えてなのか。安倍総理やその支持者

    「反知性主義」に追いつめられる「戦後主流派」
  • 「御用学者」を追放したらどうなったか? : アゴラ - ライブドアブログ

    福島原発事故以降、「御用学者」という言葉がはやった。バズワード(意味の曖昧なイメージの強い言葉)だが、「政府べったりで金と権勢欲のために人々を苦しめる悪徳学者」という意味らしい。今は消えたが2012年ごろまで「御用学者リスト」(写真)がネット上にあった。卑劣にも、発表者は匿名で名前を羅列した。それを引用し攻撃を加える幼稚な輩もいた。(サイトは消されたが小規模に再開されている。匿名のまま・リンク) ところが、ここに掲載された組織、学者に聞くとショックを受けたそうだ。そういう知的エリートは、程度の低い人にののしられる経験がないため、ネットの罵声に恐怖を覚えたらしい。これをはじめとした感情的な反発に、専門家は沈黙してしまった。それが理性的な意見を潰し、福島のパニックを長引かせた一因だ。はやりの言葉を使えば「反知性主義」が原子力・放射能問題で広がった。 そして原子力規制の分野では「御用学者」を排

    「御用学者」を追放したらどうなったか? : アゴラ - ライブドアブログ
  • 「原子力の活用を」ようやく出た声を聞く : アゴラ - ライブドアブログ

    福島第一原発事故から3年3カ月。社会には原発反対という声ばかりが目立ったが、ようやく「原子力の活用」を訴える声が出始めた。経済界の有志などでつくる原子力国民会議は6月1日都内で東京中央集会を開催。そこで電気料金の上昇に苦しむ企業の切実な声が伝えられた。「安い電力・エネルギーが、経済活動に必要である」。こうした願いは社会に広がるのだろうか。(写真は同会議の中央集会) 「原子力を国民の手に取り戻す」 「我が国の経済再生と国民負担軽減のため、原子力発電所の安全確保と利用、および実効性のあるエネルギー政策の推進を要望します。この要望に異議はありませんか」。呼びかけに、参加者は拍手で答えた。6月1日に開催された原子力国民会議の光景だ。 開催された東商ホール(東京)の集会では620人が集まり、会場は満席になった。東京だけではなく、広島、札幌、福岡で集会が開催され、それぞれ数百人単位で人が集まった

    「原子力の活用を」ようやく出た声を聞く : アゴラ - ライブドアブログ
  • 原子力はなぜ嫌われるのか。

    毎日新聞が1月23・24日に行った世論調査(都内の有権者を対象に電話による)によると、都知事選の最大の争点を、「少子高齢化や福祉」と答えた人が全体の26.8%、「景気と雇用」が23.0%、「原発・エネルギー問題」は3番目の18.5%だった。新聞や週刊誌が面白く取り上げている原発問題について、一般有権者は実際には大した関心を持っていないようである。一方で、『「脱原発」抗議行動が倍増』という報道もあり、都知事選の告示後に脱原発を訴える抗議行動に参加した人が倍増したらしい。 私自身は脱原発論者ではなく、加圧水型軽水炉は早く再稼働させた方がよい、と考える立場だが、友人には反原発論者が多く、フェイスブックでは連日のように原発を批判した記事や学者の論説が送られてくる。これらを読んでゆくうちに、反原発を唱えている人達の考えに一定の共通点があるように思えてきた。それは、池田信夫さん等が指摘するような原発に

    原子力はなぜ嫌われるのか。
  • 人間と同等に話すAI登場まであと15年? 広がる欧米でのカーツワイルブームとカント【シンギュラリティ革命】

    人間と同等に話すAI登場まであと15年? 広がる欧米でのカーツワイルブームとカント【シンギュラリティ革命】 2014年になった。未来予測者のレイ・カーツワイルが人間と区別が付かない人工知能AI)が登場すると予測する2029年まで、残り15年となった。06年に『シンギュラリティは近い―人類が生命を超越するとき』を刊行後、そもそも高い注目を浴びている存在だったが、2013年は、Googleに入社してAI開発の責任者になったこともあり、さらにメディアの寵児になった。 カーツワイルとGoogle、もしくはシリコンバレー地域のIT企業群との相性がいいのは、その世界像が大きく影響している。端的に述べるならば「数学至上主義」ないしは「アルゴリズム至上主義」という考え方をどちらもしているためだ。その側面は、18世紀のカントにまでさかのぼれると、02年に人工知能の100年史をまとめたサム・ウィリアムが指摘

    人間と同等に話すAI登場まであと15年? 広がる欧米でのカーツワイルブームとカント【シンギュラリティ革命】
  • 宇都宮陣営の“内ゲバ”はネット選挙でどうなる?

    付き合った女性との屋根の下での内ゲバに勝ったことのない私。それだけに左翼の方々の内部闘争への気合入れっぷりだけは凄いなー、と一目置いている。昨日、都知事選に一番名乗りを上げたばかりの宇都宮けんぴょん氏の陣営がネット上で火消しに追われているらしい。 ▼先陣を切るも、幸先の悪いスタートとなった宇都宮氏(FBより) ●元選対メンバーの告発ブログ 発端は一人の弁護士のブログ。昨年暮れから、澤藤統一郎氏が「宇都宮健児君、立候補はおやめなさい」とエントリーを怒涛のごとく連載。まー、この恨み節が半端ではない(汗)。冗漫で長ったらしい文章で、おまけに小見出しも無いので超読みづらい上に行間から怨念がにじみでている。なんでも2012年都知事選の選対メンバーだったのが、解任されたらしい。おまけに、けんぴょんに「宣戦布告」した動機について「半分は私憤」と開き直っているのだから、このオッサン、おもろいなー、と都知事

    宇都宮陣営の“内ゲバ”はネット選挙でどうなる?
  • 「明治レジーム」の虚妄

    アゴラに靖国参拝に対するきつい意見が並んだので、ついでに私もひとこと。今回の事件が日米同盟に亀裂をもたらすことは、安倍首相も覚悟の上だろう。中国韓国の反応も織り込みずみと思われる。わからないのは、なぜそこまで大きなリスクをおかして参拝する必要があったのかということだ。 比較的中立な日経の報道からみても、遺族会の票がほしいとか、自民党内の右派を味方につけるとかいう打算でやったようには見えない。それどころか「参拝できなかった心のわだかまりが再登板のきっかけになった」という関係者の話が当だとすれば、これが政権についた目的だったわけで、日米同盟もアジア外交も眼中にないのは当然だ。 私は安倍首相と同じ世代だが、靖国神社には何の感情もない。安倍氏に特別な感情があるとすれば、それは祖父を戦犯として裁いた「東京裁判史観」への批判なのかもしれない。しかし岸信介は、首相在任中までCIAの工作員であり、戦前

    「明治レジーム」の虚妄
  • 安倍首相は、オバマ政権にとっての鳩山由紀夫(右翼のルーピー)となった

    安倍首相の靖国参拝は人、その側近及び信者には驚くべき、世界の人間からは当たり前の反応をもたらした。その中でも、米国からの一撃はかなり衝撃的だった。この「disappoint」という米政府の言葉、実は外交用語としてはかなり重いのだ。この言葉は、最近ではオバマ大統領がスノ―デンを匿うことを決断したロシアに、ネタニヤフ首相がテロ攻撃を放置するアッバス議長に使っている言葉であり、外交儀礼上はかなり上位の警告とされている。少なくとも、上記でみたように仮想敵国一歩手前の国家に使う言葉であって、同盟国に対して使う言葉ではない。 なぜ、日米同盟という世界でも類を見ない同盟関係でこんな言葉が使われてしまったのだろうか。それは、米国から見れば安倍首相が鳩山氏と同じだからである。ありていに申せば、安倍首相は、左翼ではなく、右翼のルーピーなのである。 なぜ、親米派のはずの安倍首相は、鳩山氏と同列なのか。 それは

    安倍首相は、オバマ政権にとっての鳩山由紀夫(右翼のルーピー)となった
    deadcatbounce
    deadcatbounce 2013/12/28
    だよな‥
  • 虚像に押しつぶされた男--猪瀬直樹都知事 : アゴラ - ライブドアブログ

    エネルギー 虚像に押しつぶされた男--猪瀬直樹都知事 「水に落ちた東電を打て」--猪瀬氏の傲慢 東京都の猪瀬直樹知事が、病院グループ徳州会から無担保で5000万円を借りた疑惑で辞任した。同会は売却予定の東電病院の取得の意向を猪瀬氏に示した後で金を貸しており、背任などに発展する可能性もある。 猪瀬氏は辞任会見で、「政策を一生懸命やればいいと思っていた。政治家としてアマチュアだった」と、自分を語った。 当にそうなのか。 福島原発事故の後で、「原発どうする」など、エネルギーをめぐるさまざまな問題が噴出した。立場ごとに、取り組むべき優先課題は違う。東京都は電力では「消費地」という立場だ。その制約条件から考えれば、消費の抑制と安定供給手段の確保、福島など原発立地県の方への感謝が、東京都の最大の課題であるし、今でもそうであろう。 ところが、ある会合に出席した時、猪瀬氏の驚愕する発言を聞いた

  • 特定秘密保護法反対運動で残念だった日本の知性

    またマスコミ報道、とくにテレビ報道のいい加減さにうんざりさせられた特定秘密保護法騒動でしたが、それよりも残念だったのが、日文化人や学者の人たちも、ずいぶんぶっ飛んだ拡大解釈を行い、肝心の議論の中心軸がぼやけてしまったことだと感じています。 ふーん、まじめに思想信条の自由、表現の自由が損なわれる、そう思っているのかと観察していたのですが、それはいいとしても、そこに感じたのは、自分たちの意にあわなければ、ナチス呼ばわりまでした反橋下キャンペーンに加担した人たちと同じ発想でした。 今回の焦点のひとつは変化したアジア情勢にどう対処する道を日が選ぶのか、またテロリズムの脅威が増してきたなかで日はどうそれに対処するのか、とくにオリンピック開催が決まったことでその現実味が増したはずです。 まずアジアの変化ですが、日が平和ななかで経済成長を遂げることができた時代、そのしばらく後も、アジアで日

    特定秘密保護法反対運動で残念だった日本の知性
  • 「解雇できない特区」をつくってみた

    朝日新聞の「解雇しやすい特区」という記事がおもしろい。そんな名前は誰もつけてないのに、国家戦略特区を「解雇特区」と名づけて「働き手を守る仕組みは大きく後退する」だの「労働基準法や労働契約法をゆがませる」だのと主観的なコメントを記者が書いている。普通はこういう意見は「有識者」に語らせるものだが、最近の朝日の社会部記者はそういう基的な訓練も受けてないのだろうか。 そこで逆に彼らの理想らしい解雇できない特区を考えてみた。これは隗より始めよで、朝日新聞東京社のある築地にしよう。まず解雇は全面禁止だから、コピー取りも守衛も掃除のおばさんも全員、正社員(無期雇用)になる。朝日新聞の好きな平等主義で、彼らにも記者と同じ年収1300万円を払うことにしよう。もちろん終身雇用だから、コピー機がなくなってもコピー取りの「坊や」を65歳まで雇い続けなければならない。 マスコミは非正社員の多い職場で、だいたい正

    「解雇できない特区」をつくってみた
  • バブル世代の「倍返し」に期待する

    今週日曜夜は「半沢直樹」がお休みだったので寂しかった。 次回から舞台を東京に移し、案件もスケールアップするので心待ちにするとともに、視聴率が今後どこまで伸びていくのか実に楽しみだ。大阪編完結の第5回の平均視聴率は29%(ビデオリサーチ、関東地区)。気の早いスポーツ紙は最終回に40%の大台を叩き出した「家政婦のミタ」超えも期待しているようだが、ブログ論壇でもヒットの要因を探る記事で盛り上がっている。BLOGOSの「半沢」記事のなかでは、ESQさんのブログが筆者の感想をほぼ言語化してくれていて印象に残った。 ……まさに日曜日の夜に月曜日を迎えるのが憂だと感じる多くの社会人がこの番組のキャスティングの物さに触れて新鮮味を感じ、テンポの良いシナリオ展開に胸を躍らせ、そして、「10倍返しだ!」と理不尽なことには決して怯まない姿勢で戦う主人公、半沢直樹に、共感しているのであろう… このくだりは10

    バブル世代の「倍返し」に期待する
  • 菅直人氏の見苦しい嘘

    菅元首相が、今ごろになって「私には責任がなかった」とブログやツイッターで主張している。「反原発候補」を応援する立場上、自分の正当性を主張したいのだろうが、きょうのツイートは明白な嘘である。 吉田所長に海水注入の中止を直接指示したのは東電の武黒フェロー。官邸からの指示と当時報道されたが、私を含め官邸の政治家は海水注入で廃炉になって海水注入は当然と考えており、誰も中止を指示してはいない。指示をしたのは官邸にいた東電の武黒フェローと東電上層部の。つまり東電内部の指示。 国会事故調の報告書にはこう書かれている。 官邸5階では海水注入が必要であると関係者の認識は一致していたが、18時過ぎごろ、菅総理は、再臨界の可能性等について、班目委員長が「ゼロではない」との表現で回答したことを受けて、「大変じゃないか」と懸念を示した。班目委員長、又は久木田委員長代理は、「再臨界は、まず起きないと考えていい」という

    菅直人氏の見苦しい嘘
  • 安倍首相の外交スピーチがすばらしい--慰安婦だけが外交ではない : アゴラ - ライブドアブログ

    OPINION 安倍首相の外交スピーチがすばらしい--慰安婦だけが外交ではない 誠実な人柄が発言に現れる 安倍首相の一連の外交スピーチがすばらしい。美しい言葉を適切に使い、論理的で、構成も印象に残る工夫をしている。そして古典と名言の引用や論点の示し方で知性が感じられ、品位のある形で、スピーチの場に合わせて日の外交姿勢を適切にアピールしている。 私は物書きの端くれで文章修行中だが、自らの力量の足りなさを自覚するゆえに、質の高い文章には敏感に反応してしまう。外交のスピーチライターの力量が、過去の首相のそれと比べて明らかに高い。書き手は複数であろうが、メインライターは外務省出向の首相秘書官であろうか。日の役人の文章はつまらないものが多いが、特異な質の高さだ。 アジア知識人の心の琴線に触れる仕掛け 以下は「アジアの未来」という今年5月のシンポジウムでの晩餐会のスピーチだ。次のような話の構

  • 株価と結婚した安倍内閣

    安倍内閣の高支持率が続いている。最近の世論調査では、軒並み70%前後の極めて高い支持率となっている。これは絶頂期だった頃の小泉内閣以来の記録的な水準だ。なぜ安倍内閣がこれほどの支持を得ているのか? その理由は明確だ。株価である。昨年の衆院選前には、再び自民党に政権が交代し、安倍内閣になることが予想されていた。安倍氏は、極めてアグレッシブな量的緩和を実施するということを約束していたので、それ以来、急激に円安が進んだ。実際に、黒田新体制になった日銀が、「異次元の金融緩和」を発表して、予想は現実のものになった。いや予想をはるかに上回る日銀の政策転換である。円安が進むと、基軸通貨のドルで見る日の株価が割安になるので、円で見る名目の株価は上昇する。当然だが、円安は輸出企業の業績を改善するので、企業業績そのものへの波及効果もある。こうして株価はますます上昇する。 さらに筆者の予想以上だったのが、株価

  • 空砲だった「黒田バズーカ砲」

    官邸には田悦朗氏のように消費者物価指数の意味も知らない「ブレーン」がいるらしいので、ここ半年のアベノミクスが物価にどれだけ効果を見せたかを調べてみよう。 右の図は、26日に総務省が発表した消費者物価指数(生鮮品を除く)いわゆるコアCPIだが、前年同月比-0.5%(図の一番下の太線)で、ここ数年ずっと下がっている。つまり上がっているのは株価などの資産価格だけで、物価は下がり続けているのだ。 では「黒田バズーカ砲」で緩和効果は出ただろうか。次の図を見ればわかるように、黒田総裁が「異次元緩和」を宣言した4月4日に、10年物国債の金利は瞬間的に0.3%台まで急落したが、そのあと0.6%台に急上昇し、サーキット・ブレーカーが働いた。その後も金利は0.6%前後で推移しており、白川総裁の時代の3月とほとんど変わらない水準で、緩和効果は出ていない。 予想インフレ率(物価連動国債のブレークイーブン・イン

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    deadcatbounce
    deadcatbounce 2013/04/28
    第二弾はよ!
  • ヤマギシ会はまだやっていた --- 島田 裕巳

    ふと、ヤマギシ会はどうなっているのだろうかと気になった。ヤマギシ会は、日で最大のコミューン、共同体であり、理想社会の実現をその組織の目的としてきた。創立は1953年のことで、ちょうど今年で60年になる。 私は、大学時代にヤマギシ会に関心をもち、宗教学のゼミでの調査をきっかけに、近づき、その運動に共鳴して、メンバーになったことがあった。今から40年近く前のことである。ヤマギシ会の共同体で生活していた期間は7カ月と短かったものの、その後も、ヤマギシ会を出てきた人間たちが中心になった、共同体つくりの運動に参加し、そのあいだはヤマギシ会ともかかわりをもった。 当時のヤマギシ会には、学生運動に参加した経験をもつ若い人間が多かった。ヤマギシ会は、1959年に「ヤマギシ会事件」を起こし、世間の注目を集めたが、それによって危険な団体とも見なされ、一時、運動は停滞した。ところが、学生運動崩れが多数参加する

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    deadcatbounce
    deadcatbounce 2013/02/18
    島田はコリねぇなあ!!
  • 小泉の時代:マクロ経済の難問 --- ノア・スミス(Noah Smith)

    ポール・クルーグマンは、2000年~2007年という言わば「小泉純一郎の時代」における日の経済成長は、世間が考えているよりもよっぽど強固なものであり、実際には米国の成長をも凌いでいた点を的確に指摘している。 以下の表は、日と米国の国民一人当たりのGDP(トータル・エコノミー・データベースより引用)の比率と、日と米国の15~64歳の成人のGDPの比率を比較したものである。 そこに示されるのは、一度も回復しない大きな景気後退ではなく、大いに回復する小さな景気後退である。米国レベルに収束をし続けた日は、もっと頑張るべきだったと考えられるだろう。ただし、人口統計学を考慮しない場合に見えてくる表面上の惨憺たる失敗は、どうにも明らかではない。 その通りである。日が失ったのは20年ではなく、10年だ。 さて、ここが難問だ。日の2000~2007年までの成長を加速化させた要因は何か? この期間

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  • 準備預金90兆円時代(かなり技術的)

    この記事は、前稿「超過準備に対する付利撤廃の効果(やや技術的)」の続編である。というか、こちらの方がむしろ書きたかったことで、先の記事はその前振りのためのものである。 1月22日の金融政策決定会合で決められた「無期限で毎月一定額の資産を買い入れる方式」の導入が2014年初からだというので、もの足りないといった批判を受けているが、現行方式のままで2013年中に日銀行はさらに50兆円ほどの資産買い入れを行うことになる予定である。50兆円というのは半端な額ではないが、日銀はどのようにしてその買い入れ資金を調達するつもりなのだろうか。 「日銀券を刷ればいいだけではないか」と思う人も少なくないだろうが、すでに現金需要には飽和の兆しがみられる。すなわち、いまでも緩やかに増加の傾向にはあるが、日銀券の流通残高(=現金需要額)は80兆円強くらいであり、それが10兆円のオーダーで増加することは見込めない。

    準備預金90兆円時代(かなり技術的)
  • 失業と貧困は、なぜ生み出されるのか? : アゴラ - ライブドアブログ

    経済 失業と貧困は、なぜ生み出されるのか? マルサスは、1798年に「人口論」を著し、この中で「幾何級数的に増加する人口と算術級数的に増加する糧の差により人口過剰、すなわち貧困が発生する。これは必然であり、社会制度の改良では回避され得ない」とする見方を提唱した(Wikipediaより)。 マルサスの予言は、20世紀末までは、石炭の使用、そして石油へといったエネルギー革命と20世紀初頭のハーバーボッシュ法による空中窒素固定法の発明による飛躍的な糧増産により、実現することはなかった。  しかし、現在、世界の先進国で起きている、失業と貧困は、正にマルサスの予言を現実のものにしつつある。 経済成長の限界 + 生産性上昇の必要性 = 格差の拡大   という式にまとめることができる。 ここでは、なぜ経済成長に限界が生じ、失業や貧困がなぜ生み出されるのか、そのメカニズムについて考察したい。