CPU黒歴史第6弾は、インテルの「XScale」である。こちらは技術的というよりも、政治的な理由で放棄されてしまったプロセッサーだ。そのXScaleの前身にあたるのが、「StrongARM」と呼ばれるプロセッサーである。まずはこちらの話から始めよう。 ARMとDECが共同開発 特許訴訟でインテルに買われたStrongARM 時は1995年。ARMとDEC(Digital Equipment)は共同で、新プロセッサーの開発プロジェクトを開始した。ARMは省電力で比較的素性のよいコアのIP(知的財産)を持っていたものの、高速化・高性能化に関しては今一歩であった、他方でDECは高速なプロセッサーに関する技術は十分に持っていたものの、小型機器に利用できるプロセッサーは持ち合わせていなかった。 そこでARMの持つプロセッサーIPを、DECの技術で高性能化しよう、というのがこの共同プロジェクトであった