企業価値を測定する方法としてDCF方式がわが国においても定着してきた。確かに、ファイナンス理論から企業価値を求めようとするのであれば、DCF方式により算出するのが適当である。DCF方式では3つのバリュー・ドライバーの想定によって算定結果が大きく変わる。将来CF(キャッシュ・フロー)、割引率(投資収益率)、CF成長率である。将来CFを推計するためには、評価対象会社の収益分析、コスト分析はもとより、業界動向などのマクロ的分析も必要である。いかに適性かつ実現可能性がある将来CFを予想するかがポイントとなる。その一方で、適格な割引率の選定も重要である。バブル崩壊後、足元の投資収益率が低下している。将来CFがいかに保守的であっても、低い割引率を適用すれば企業価値は高まる。経験豊富な専門家でもこの将来CFと割引率には頭を悩ませるものである。 そのDCF方式より比較的簡単に企業価値を測定する方法としてマ