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ブックマーク / blog.coffee-mill.org (13)

  • 既存のミルの欠点を取り除いた軽快な挽き心地、粉が飛び散りにくいミルを考案する(10)

    ずっと更新ができませんでした。理由は、未だにセラミックの刃の生産に目途が付かないこと、最新型のミルをと比較してコスト面で太刀打ちできないと思ったためです。 以前、ときどき読者様より御教示頂いた最新型のミル、COMANDANTE C40、TIMEMORE NANO、1ZpressoQ2、Helor101(公式サイトは削除されていました)を触ってみました。どれも素晴らしい品質です。機構面でも、ダブルベアリング機構を搭載してブレをなくしており、この点で私の考えるミルに優位性はありません。コストの削減方法についても、実に良く考えられています。そもそもコストのかからない形状で設計し、品質を落とすことなく安価に製造できる形状を選択した時点で、彼らの方が優れています。しかも、その形状が必然であるように見せ、コストがかからない形状であることを気付かせない・・・。会長の工場に通い、コスト削減の方法について考

    既存のミルの欠点を取り除いた軽快な挽き心地、粉が飛び散りにくいミルを考案する(10)
  • 既存のミルの欠点を取り除いた軽快な挽き心地、粉が飛び散りにくいミルを考案する(9)

    ずっと、ZZ型のベアリングを使ったモデルを作ってきました。しかし、どうしても水洗いしたいという欲求が出てきます。そこでシャフトを保持する部分をベアリング素材(品衛生法適合)から削り出してみることにしました。 シャフト保持分を樹脂ベアリング削り出し部品に変更 残念ながら、体一体型ではなくなるのですが、全ての部品を気兼ねなく水洗いすることができます。また、機械要素展などで、樹脂ベアリングを調べて見ると、負荷をかけて動作させた時は、金属ベアリングよりも接する面積が広くなる分、摺動が少なくなることもわかっていました。 空回りの時は明らかに金属ベアリングの方がスムースに動きます。しかし、負荷をかけたときは、金属製のベアリングとほとんど違いがわかりません。私は体の太さ、組み込まれている刃の感触などで個体認識ができるので、どの個体に樹脂ベアリングが組み込まれているかがわかりますが、何も知らない人が

    既存のミルの欠点を取り除いた軽快な挽き心地、粉が飛び散りにくいミルを考案する(9)
  • コーヒーミルの刃なのか、歯なのか、臼なのか

    この部品は、コーヒーミルの刃なのか、歯なのか、臼なのか? KONO F101相似形のオリジナル設計 外刃・内刃 先日、刃物の専門メーカーの技術者と話をする機会がありました。 ①コーヒー豆を挽くのに適した刃の形状は、どのようなものか ②ミルは豆を切っているのか、砕いているのか ③この部品は刃なのか、歯なのか、臼なのか について聞いてみました。私にとっては大変明快な答えが出たので、それを書きたいと思います。 ①コーヒー豆を挽くのに適した刃の形状は、どのようなものか 「どのような形状にしたいのか」によって刃物の形は異なる 私としては「最適な形状」というものがあるのではないかと思ったのですが、それについては、「どのような形状にしたいのか」によって刃物の形は異なるという、極めて当たり前ですが、非常に難しい答えが返ってきました。 そういえば、私は今まで「挽いた豆をどのような形にしたいのか」については考

    コーヒーミルの刃なのか、歯なのか、臼なのか
  • 既存のミルの欠点を取り除いた軽快な挽き心地、粉が飛び散りにくいミルを考案する(6)

    オリジナル設計のボディにF101の刃を組み込んだ試作品ができました。 報告までにずいぶん間が空いてしまいました。この間、何もしていなかったわけではないのですが、最終形状に近づいたこともあり、製品化前に種明かしをしたくない部分が多くなってしまいました。 今回は試作した形状の評価としたいと思います。 体形状 コンマ単位での調整が必要です。事前にモックアップで検証しましたが、実際に動作させてみると、いろいろと感覚面で欲が出てくるものです。握り具合を確かめながら削ったので、微妙に段差が残っています。一度削った個体を、再度旋盤にセットするのは大変難しいです。次の個体は、これをなくした時にどうなるのかも確かめてみたいと思います。 この段階でギリギリの寸法で作っているので、ねじ穴の深さ、位置などを動かし、あと0.1mmをどこから捻出するか、頭を悩ませています。 重さ 0.1mmをどこから捻出するのか悩

    既存のミルの欠点を取り除いた軽快な挽き心地、粉が飛び散りにくいミルを考案する(6)
  • ザッセンハウスの刃とF201のボディを組み合わせる(5) & 貝印 THE COFFEE MILLを研究する(3)

    前回、急に思い立った、The Coffee Millとの比較です。 比較項目は、F201+ザッセンハウス同様、挽き時間(ハンドルの回転回数)、挽き心地、粒度のバラツキについて粗挽き・中挽き・細挽きを、同じ豆、同じ量で検証します。 豆の種類 : アラビカブレンド深煎り 豆の量   : 約10g カリタコーヒーメジャーカップ#44059 すり切りいっぱい ①The Coffee Mill 回転数       挽き心地                                       バラツキ ①-1 粗挽き:  25回  最後まで滑らか。非常に軽い。              大きな粒が混じる ①-2 中挽き:  32回  最後まで滑らか。トルクが一定。            ほぼ粒度が揃う ①-3 細挽き:  82回  最後まで滑らか。トルクが一定。            非常に粒

    ザッセンハウスの刃とF201のボディを組み合わせる(5) & 貝印 THE COFFEE MILLを研究する(3)
  • ザッセンハウスの刃とF201のボディを組み合わせる(3)

    大変お待たせいたしました。F201にザッセンハウスの刃を組み込んでみた結果のお知らせです。 いきなりで申し訳ないのですが、比較を開始する前に、まずは、作った部品群がうまく機能するか検証したところ、プジョーがうまく動作しないことが判明しました。 プジョーの内刃は、内部まで焼きが入っており、後から加工することが非常に困難です。そのため、工作上の工夫を考えていただきました。 「この構造は旋盤等で使用する回転刃物の固定にも使用されることもあるそうで、その機構とロック強度はかなり強固であることが想像されます」とあり、私もまず大丈夫だと思っていたのですが、どうも途中で空回りするのです。負荷をかけないときは、かなりの力で廻してもびくともしないのですが、コーヒー豆ってそんなに固いのでしょうか・・・。 「挽くこと」はできるのですが、粒度ごとのハンドルの回転数、挽いたときの感触など官能部分での比較ができません

    ザッセンハウスの刃とF201のボディを組み合わせる(3)
  • ザッセンハウスの刃とF201のボディを組み合わせる(2)

    「良いコーヒーミル」について研究していきます。 ザッセンハウスのラパスの改造からはじまり、評判の良い既存のミルと比較、分析していきます。 それらの良い点を生かし、欠点をなくしたミルは、どのような形になるのかを考えていきます。 前回の投稿からだいぶ経ってしまいましたが、部品群ができましたので、報告いたします。 シャフトは自作野郎さまに作成していただきました。実はザッセンハウスのみならず、プジョー、FISCO、F101、F201用のシャフトも作成しておりました。まったく情けない話なのですが、すべての部品で図面に不備があり、うまく機能しなかったのを、何度も作り直して、ちゃんと組み合わさるようにしてくださいました。このミルが機能するのは間違いなく、自作野郎様のおかげです。改めて感謝申し上げます。 早速、組み合わせて動かそうと思ったところで、下側からシャフトを支えるスタビライザーを作るのを忘れていた

    ザッセンハウスの刃とF201のボディを組み合わせる(2)
  • 貝印 THE COFFEE MILLを研究する(2)

    「良いコーヒーミル」について研究していきます。 ザッセンハウスのラパスの改造からはじまり、評判の良い既存のミルと比較、分析していきます。 それらの良い点を生かし、欠点をなくしたミルは、どのような形になるのかを考えていきます。 前回は、形状の違いを写真で見てきました。今回は、形状と使い勝手の関係を明らかにしていきたいと思います。比較のため、他機種と同じ項目で追っていきます。使いやすいコーヒーミルの形状とはどんなものか(1)では、 絶対値として、動作が軽いこと 底面が固定されること 押さえる手に無理な力がかからないこと 体を押さえながら、ハンドルを廻した時に、押さえた手と干渉しないこと を満たす形状として 廻した時に左手に当たらない高さに、ハンドルが配置されている 左手で押さえる際、親指と人差し指を開いて握るような形状は押さえやすい 角のない受け皿 分解しやすく、場合によっては洗える体 を

    貝印 THE COFFEE MILLを研究する(2)
  • 貝印 THE COFFEE MILLを研究する(1)

    「良いコーヒーミル」について研究していきます。 ザッセンハウスのラパスの改造からはじまり、評判の良い既存のミルと比較、分析していきます。 それらの良い点を生かし、欠点をなくしたミルは、どのような形になるのかを考えていきます。 今回は貝印の現行モデル「貝印 THE COFFEE MILL」を取り上げることにします。まったく、お恥ずかしい話なのですが、KU-rubushiさまより、コメントを頂戴するまで、このミルの存在を知りませんでした。調べて見ると、大変好評なモデルのようで、一時期生産が追い付かず、販売を停止していた模様。アマゾンなどの販売サイトでも見つからなかったのは、そのせいでしょうか(いやいや、自分の不勉強を棚に上げてはいけませんね)。 ホームページを拝見しますと、 世界中のコーヒー農園を回り、コーヒーを知り尽くした川島氏の「コーヒー豆のおいしさを最大限に引き出し、自宅で最高のコーヒー

  • このミルが存在する意義、土俵はいったいに何か

    価格、品質などで勝負するのか。 価格はどう考えても、勝負になりません。以前研究したHARIO製のミルは、あれほどの高品質でありながら、3000円も出せば手に入るのです。個人だから利益を削ってでも安くできるといった話ではありません。そもそもシャフト1を加工するだけで、あっという間に3000円に達してしまいます。価格での勝負などお話になりません。 私は、下町ロケットや、超絶スゴ技などに出てくる、偉大な技術者、職人を頂点に頂く、広いすそ野を持った、モノづくりの山々のふもとにいると思っています。 今回作るものは、ロケット部品の精度を求められるものではありません。しかし、お世話になっている会長をはじめとする、モノづくりに携わる方々のネットワークは、明らかに高品質の製品を世に送り出しています。私は間違いなく、偉大な山々を支える一員におり、誇りを持って、この仕事に当たっています。 下町ロケットを見なが

    このミルが存在する意義、土俵はいったいに何か
  • HARIO セラミックコーヒーミル・スケルトン・MSCS-2TBを研究する(2)

    「良いコーヒーミル」について研究していきます。 ザッセンハウスのラパスの改造からはじまり、評判の良い既存のミルと比較、分析していきます。 それらの良い点を生かし、欠点をなくしたミルは、どのような形になるのかを考えていきます。 前回は、形状の違いを写真で見てきました。今回は、形状と使い勝手の関係を明らかにしていきたいと思います。 肝心の使い心地ですが、両者を比較したところ、形状はほとんど同じと言って良いにも関わらず、挽き心地はまったく異なることがわかりました。旧型はF303をさらに軽くした感じ、新型はザッセンハウスに良く似た感じと、ほぼ両極端でした。 比較のため、F201と同じ項目で追っていきます。使いやすいコーヒーミルの形状とはどんなものか(1)では、 絶対値として、動作が軽いこと 底面が固定されること 押さえる手に無理な力がかからないこと 体を押さえながら、ハンドルを廻した時に、押さえ

    HARIO セラミックコーヒーミル・スケルトン・MSCS-2TBを研究する(2)
  • コーヒーの味の評価と良い手動式ミルの条件について 当ブログのスタンス(2015/4/25 条件を追加)

    「良いコーヒーミル」について研究していきます。 ザッセンハウスのラパスの改造からはじまり、評判の良い既存のミルと比較、分析していきます。 それらの良い点を生かし、欠点をなくしたミルは、どのような形になるのかを考えていきます。 味の評価について、今まで何も書きませんでした。ここで、改めて当ブログのスタンスを明らかにしたいと思います。なぜ、一番重要な味の評価をしないのか。 理由は、わからないからです。 客観的な評価をするには、限りなく似たような条件を作りだすことが必須だと思っています。誰が行っても、同じ環境で行えば、同じ結果が出るというのでなければ、科学的とは言えません。 ミルを比較してわかったことは、似たような形状の刃でも、体の大きさ、設置の仕方で挽き心地が大きく異なる事(逆も真なりで体はほぼ同じでも、刃が異なれば挽き心地は大きく異なります)でした。 さらに言えば、同じ個体を使っても、設

  • Spong 80 を研究する(1)

    今回はSpong 80を研究します。KONO式(コーノ式)ミルF201、HARIOの「セラミックコーヒーミル・スケルトン・MSCS-2TB」は非常に合理的で使いやすかったので、またディアボロ(≒中国独楽)形状のミルを研究してみます。 ディアボロ型の例にもれず、このモデルも、構造的に実によく考えられています。体が外刃を兼ねるなど、部品点数は非常に少なく、11点(分解可能な部品)しかありません。セラミックスリムと並ぶ、ミニマムな構造です。

    Spong 80 を研究する(1)
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