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ブックマーク / akihikomatsumoto.com (4)

  • アートとエンターテイメントの違いと、西洋芸術における文脈、歴史の重要性

    現代芸術は音楽も美術もそうだけど、歴史や文脈を積み重ねるところが1番面白いところで、アートは個人主義に見えて実は過去の他者の作品との関係性を最大限重視している。一人では作れないものを死んだ人も含めて一緒に作って超多人数で歴史の編纂をしているような面白さがある。知を積み重ねる文化。 アートが文脈、歴史を重視するのは、社会に対して最先端の表現をして新しい価値観を提示しているかを判断できるようになるからで。歴史や文脈がないとアートの歴史よりも短い人間の寿命や直感の感性の中で、限界を突破できない似たような表現が繰り返し生産されて、様式が進化しない。 現代音楽では20世紀以降調性音楽を書くことはご法度とされている。でもそれは調性音楽の質が低いという理由ではないしポップスはほとんど調性の範疇。歴史を繰り返しても音楽が進歩しないので作曲家が新しい様式の模索をしてるのが音楽史。歴史や文脈なかったら芸術音楽

    アートとエンターテイメントの違いと、西洋芸術における文脈、歴史の重要性
  • 日大芸術学部でのQ&A

    キュレーターの高橋裕行さんにお誘いいただき、日大芸術学部で一回限りの講義をしてきました。 題材は「技術音楽」。 テクノロジーの進化がどれだけ音楽を変えてきたのか、楽譜の発明、楽器の発明、録音技術の発明、コンピューターの発明と4柱で具体例を紹介しました。 コンピューター以降の創作事例として自分が作ったいくつかの作品もお見せし、50人以上いるクラスでみなさんから質問を回収し様々なご意見をいただいたのですが、授業内にすべてにお答えする時間が無く、せっかくいただいた質問は自分にとっても音楽、芸術を見直す上で貴重な機会となるため、こちらで回答させていただきます。 Q&A Wさん Q:人が機械にルールを教えて、機械が作り上げた音楽の場合、この音楽を作曲したのは人、機械のどちらになるのでしょうか。 A:とても重要な質問です。僕の考えでは、このような創作は従来の作曲という言葉の範疇ではおさまらず、ただ

    日大芸術学部でのQ&A
  • 音楽とは何か(西洋音楽)

    学生時代に受けた玉川大学の高岡先生の音楽論概説の授業のテーマでした。シラバス それは現在の自分の音楽観の基盤になる大変重要な授業で、「 現代の音楽理論研究の成果に基づき、音楽の諸相について考察を加える。特に、音楽音楽であるために必要な条件とは何か、現代の認知科学的な観点から考察する。」という授業の概要が提示されています。 音を楽しむから音楽であるという意見がありますが、musicmusicaには楽しむという意味はありません。 この授業は論理的に、科学的に音楽が満たすべき条件を考えた初めての機会でした。 特に、哲学でも修士を持ち、作曲で博士を持ち、和声学やコンピュータ音楽の授業でも教鞭を揮われていた高岡先生の授業は大変密度が濃く、説得力がありました。とてもじゃないけど音楽のみの専門家の音大の先生にはできないような授業でした。作曲のレッスンよりも強い影響を受けたと言っても過言ではないです。

    音楽とは何か(西洋音楽)
  • 眺めているだけでも想像が広がる図形楽譜

    作曲家は必須の資料ですし、美術とかデザインをやってる人にとっても視覚と聴覚の関係をひもとくと面白いでしょうし、メディアアートなどでオーディオヴィジュアルインスタレーションなんかをやっている人にも参考になる部分は多いと思います。 ちなみに僕も5年くらい前にAntiphonというレーザーとプロジェクション、電子音響を使ったインタラクティブ作品を作ってます。 これも一種の図形楽譜として見ることもできるでしょう。 リアルタイムものなので、当時のカメラ性能とコンピュータ処理能力ではあまり綺麗な映像が作れませんでしたが、今だったらもっと綺麗にできるのでリメイクもしたいところです。 Ambient Works Book 1 - ソロ楽器のための12曲から構成されるアルバム。環境自体を作るようなインスタレーション的なアンビエントを、サウンドデザイナーのような立場からではなく、あくまで音楽家の立場から、人力

    眺めているだけでも想像が広がる図形楽譜
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