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ブックマーク / akihitok.typepad.jp (16)

  • 本気でプライバシーを守ってみたら――書評"Dragnet Nation"

    電話を使えば通話履歴が残る。ウェブを閲覧すればアクセス履歴が残る。スマホで写真を撮れば位置情報が埋め込まれている――いまさら「知らないうちに情報が取られていた!」などと驚くこともないと思いますが(だからといって諦めるべきという意味ではないですよ)、それじゃいったい、いま自分に関する情報はどのくらい記録されているのか?それを回避しようとしたらどこまでできるのか?を気で考えてみたが"Dragnet Nation: A Quest for Privacy, Security, and Freedom in a World of Relentless Surveillance"です。 著者のJulia Angwinさんは調査報道を専門とするジャーナリストで、2013年までウォールストリート・ジャーナル紙でプライバシーに関する調査チームを率いていた人物。2010年にはジェラルド・ローブ賞も受賞し

  • 自分フィギュアな話

    自分用にメモ。昨年11月の「OMOTE 3D SHASHIN KAN」が起爆剤となって、「何らかの手段で個人の3Dデータを作成、自分フィギュアを作る」というサービス/キャンペーンが登場しつつあります。気づいたものを簡単にまとめ。 従来型 ■ マイフィギュア フィギュアにしたい人の顔写真(前・後・左右の 4 枚 + 左右斜め 45 度 2 枚)を送ると、「職人が手作業で」デフォルメされた頭部を作成し、あらかじめ用意されているボディー(複数パターンあり)と組み合わせてフィギュアを作成してくれるというもの。結婚式の記念品といった目的で、類似サービスは以前からあった。ただし当然ながら3Dデータを作成しているわけではないので、今回のまとめの対象外。 ■ 自分魂 バンダイのサービス。2009年登場(既に受注終了)。正面から撮影した顔写真を送ると、それを「フェイスベース」と呼ばれる立体パーツに印刷、出来

  • 3Dプリンタ用DRM技術、米国で特許取得

    クリス・アンダーソンも注目の3Dプリンタということで、自宅で銃も作れちゃうなどといった話まで出てきていますが、そうなると3Dデータの流通をどうコントロールするのかという話になります。yomoyomoさんが「3Dプリンタに DRM をかけて物騒なものを作れなくしろという声もいずれ出てくるのでは」と指摘されていて、コリィ・ドクトロウさんの文章も紹介されていますが、恐らく(規制が上手くゆくかどうかは別にして)そんな動きが早晩出てくるのでしょう…… と思ったら米国で特許を取ってました: ■ Übertroll firm awarded patent on adding DRM to 3D printing (The Register) マイクロソフトの前CTO、ネイサン・ミアボルド氏が設立したIntellectual Ventures社の一部門が、3DプリンタにDRMを導入する技術で米特許商標局か

  • エストニアが小学校にプログラミングの授業を導入

    エストニアといえばスカイプ発祥の地、そしてヨーロッパにおけるオフショア開発の中心地の一つですね(そんなの知るかという方は、こんなはいかがでしょうか)。IT系の産業で国力を維持するという方針を打ち出しているわけですが、その流れを受けて、小学校からプログラミングの授業を導入することが決まったそうです: ■ By next year, all Estonian schools will be able to offer programming classes (The Next Web) ちょっと気になったので、他の報道も参照しつつどのような内容なのかまとめてみました: エストニアで"ProgeTiiger"なるプログラムが進められている。小学校1年生から高校3年生に相当する生徒たちが、学校でプログラミングを学べることを可能にしようというもの。 このプログラムのパイロット版が、いよいよ今年から

  • 【書評もどき】'The Most Human Human'

    プロダクション I.Gで『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』および『攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society』の脚に参加された櫻井圭記さんによる一冊。ブログでも何度か取り上げているのですが、いま見たら絶版になってる……好きななんだけどなぁ。 ともあれ、『フィロソフィア・ロボティカ』の副題にある「人間に近づくロボットに近づく人間」という一説が非常に気になっていて、それ以来「人間とロボットはほぼ同心円と言えるほど重なり合っていて、ほんの僅かな差しかなくなりつつあるのではないか?」という思いを強くしていました。仮にそうであれば、「ロボットを知ろう、ロボットと人間の違いを考えよう」という試みは、そのまま「人間とは何か」という問いとして私たちに跳ね返ってくることになります。 3年前に書いた記事でも引用したのですが、同書のこんな一説を引用しておきましょう: 我々はつ

  • 【書評】『豚インフルエンザ事件と政策決断―1976起きなかった大流行』

    以前ちらっと触れましたが、最近『豚インフルエンザ事件と政策決断―1976起きなかった大流行』というを読んだので、改めてご紹介しておきたいと思います。 まずは改めて、書がいったいどんな存在なのか、書自体から解説を抜粋しておきたいと思います: 1976年、合衆国政府は、豚インフルエンザと呼ばれる新型のウィルスによるインフルエンザの世界規模の大流行の脅威から国民を守るために、全国民へのワクチン接種事業に着手しました。前代未聞の大規模な試みでした。ワクチンを受けた人数――10週間で4,000万人以上――といった点では、まずは限定付き成功だった反面、論議の沸騰、計画からの遅れ、行政上のトラブル、法的紛糾、予想外の副作用の出現といった出来事が相次いで起きたために、この試みについては公衆衛生当局に対する国民の信頼を急速に失墜させてしまったという評価があるのも事実です。そして何より予想していた脅威は

  • 半蔵門線の横に座ったいかにも出来そうな官僚みたいな人が、「政府機関のための Twitter 戦略テンプレート」を読んでいた話

    半蔵門線の横に座ったいかにも出来そうな官僚みたいな人が、「政府機関のための Twitter 戦略テンプレート」を読んでいた話 昨夜10時頃の話。帰宅して Twitter を眺めていたら、RT(リトゥイート、引用)で何人かの方がこんなつぶやきを書かれているのが目にとまりました: 今半蔵門線の横に座ったいかにも出来そうな官僚みたいな人が「政府機関の為のtwitter戦略テンプレート」っていう分厚い企画者に目を通してます。 オリジナルの発言主は@SHOTAROMAEDAさん。僕は(この時点では)フォローしていなかったのですが、RTを繰り返すうちに、このメッセージが僕がフォローしている方々にまでたどり着いたのでした。で、そこでさらにRTされ、僕が気づくことになったと。 で、「なんだー日政府も Twitter腰入れるのか-。面白いことになるかなー」などと考えていたのですが……そこでふと感じま

  • 英国政府の公式 Twitter ガイドラインが非常に参考になる件

    ということで、今日のシロクマ日報で紹介した「英国政府関係者向け Twitter ガイドライン」。なかなか参考になるので、内容を一部紹介してみたいと思います。 (※8月3日追記:作者の Neil Williams さんから了解をいただき、全文を日語訳してみました。ご興味のある方は、こちらのリンクからご確認下さい。) ちなみにこちらが原文。Scribd のアカウントを持っていれば、PDF形式等でダウンロードも可能です: Template Twitter Strategy for Government Departments 【リスク】 まずは4章の「リスク」。文字通り政府系 Twitter が気をつけるべきリスクが解説されているのですが、対策が参考になります。いくつか抜粋してみると: 人手不足、または許可が下りないことが原因で、一般ユーザーからの「会話に参加しろ」「質問に反応しろ」という声に

  • Twitter するCEOたち

    いよいよ宇宙飛行士まで Twitter する時代になったわけですが、もうちょっと身近で、役立つ情報が聞けることを期待してフォローするならば、やはりビジネスの世界で有名な方々でしょう。最近は「フォローすべきユーザー一覧」的なまとめサイトも充実してきていますが(これやこれなど)、BusinessWeek 紙でその名も「Twitter を使っているCEO」という特集がアップされています: ■ CEOs Who Use Twitter (BusinessWeek) 登場するCEOは48名(一部 Chairman 等も含まれています)。もちろんこれが全てではないと思いますが、英ヴァージングループの Richard Branson など、有名どころが揃っています。また単に名前とアカウントが載っているだけではなく、彼らがどのように Twitter を活用しているかについても簡単な紹介文が掲載されています

  • 「Google Earth」が「Google Ocean」に

    お馴染み Google Earth に、海に関するコンテンツが追加されました: ■ Dive into the new Google Earth (Official Google Blog) 一部の記事では、これまでの命名規則に倣って「Google Ocean」と呼んでいるようです: ■ Google Earth, Google Ocean: mysteries of the seafloor are mapped for the first time (Guardian) 残念ながら正式名称ではなさそうですが、この呼び名がピッタリな今回のバージョンアップ。最大のポイントは「海底の地形に関する詳細データが追加された」という点でしょう: メニューから「表示>水面」と選ぶことで、水面のイメージのON/OFFを切り替えることが可能です。こちらは水面イメージをOFFにして、茨城・千葉県沖をさらに拡

    「Google Earth」が「Google Ocean」に
  • OECDの資料ページがちょっと使いやすい件

    諸事情あって未だに忙しい日々です。いろいろイベントは出てるけど。 というわけで、OECD(経済協力開発機構)ですよ: ■ OECD eXplorer Online Visualization Tool (information aesthetics) 紹介されているのは、OECDの Regional Statistics というサイト。OECD加盟国に関する諸データ(GDPや年齢層の構成など)が、視覚化されて掲載されています。日の政府系サイトだと「せっかく貴重な一次データがアップされてるのに、分かり辛くて余計な時間がかかる……」ということが多いですが、このサイトではご覧の通り: ダッシュボード型に様々な情報が集められています。例えば上のスクリーンショットでは、日の関東地方が選択されていて、「一人当りGDP」(左上の地図)、「15~64歳の人々が全人口に占める割合」「65歳以上の人々が全

    OECDの資料ページがちょっと使いやすい件
  • Creator's Diary

    気づいたらもう11月、ということで、書店や文房具店には既に手帳&カレンダーコーナーができていてハッとさせられる今日この頃。ネットにも手帳&カレンダー系のネタが増えてきていますが、個人的にコレがすごく気になりました: ■ Spotted in Japan: D-Bros 2009 Creator's Diary (Change Order) プロダクトデザイン・プロジェクト、D-BROS がデザインした手帳"Creator's Diary"です。日発、しかも2008年度版も発売されていたとのことですから、既にご存知の方も多いかもしれませんが。 ご覧のように、蛇腹状に折りたたまれている手帳で、横軸がタイムライン(1日単位)になっています。縦軸は上半分が時間単位のタイムライン、下半分がガントチャートを書き込むためのマス目になっていて…… このようにタスクの全体像と、1日単位のスケジュールが同時

    Creator's Diary
  • あらゆるウェブサイトがメールで読める"WebToMail"

    Lifehacker で紹介されていたサービスですが、これはいろんな意味で使えるかも。どんなウェブサイトでも、内容をメールにして送ってくれるというサービスです: ■ WebToMail 使い方は簡単。読みたいウェブサイトのURLをタイトルにして、[email protected] にメールを送ればOK。例えば以下のエントリをメールにしてみましょう: ■ 夏休みの宿題:ブログ毎日更新 (シロクマ日報) このエントリのURLをメールのタイトルに入れ、メールを送ってみます: しばらく待つと(待ち時間は指定したサイトのボリュームによって左右される様子)、以下のようなメールが返ってきました: ご覧の通り、ちゃんと画像やハイパーリンクも付いた形で内容を確認することができます(これはGmailで実験してみた結果なので、他のメールクライアントだと違った表示になるかも)。元のウェブサイトそのまんまという訳で

    あらゆるウェブサイトがメールで読める"WebToMail"
  • 【閑話休題】個人的に、泣ける絵本を5冊ほど。

    最近、娘に絵を読んでやると泣いてしまいます。歳のせいなんでしょうか。いやそんなことはない、これは絵が悪い(良い)のだ!ということで、これ読んでもおかしくないよねという絵を5冊。 (1) 100万回生きたねこ これは定番中の定番。100万回死んで、100万回生まれかわったネコの話。ネタバレはしませんが、ラストで主人公のネコが下す決断が痛いほど理解できて泣けます。ただ子供よりも、大人が共感する絵でしょうね。個人的にも、大人になってから読み返したときの方が泣けましたし、娘に読んでやって一人でウルウルしていると「?」という目で見られてしまいます。ミュージカルになっているというのも納得(しかしなぜ沢田研二が?)。 (2) こんとあき これも有名なので、ご存知の方も多いでしょう。ぬいぐるみのこんと、あきちゃんが「さきゅうまち」にお出かけする話。決して悲しいお話ではないのですが……なんというか、

  • ネガコメ時代に『論より詭弁』

    『論より詭弁 反論理的思考のすすめ』を読了。週刊ダイヤモンドで「もっと売れて良い」として紹介されていたので読んでみたのですが、確かに良書でした。ただ内容に難解なところがあるため、「もっと売れて」いないのも不思議ではないかなという感想です。 このを読む最大の価値は、「詭弁とレトリックは紙一重」ということを実感できるという点でしょう。ある場面においては「詭弁」とみなされることでも、場面が変われば詭弁とは気づかれなかったり、正当な議論として認められたりする。例えばあのイエス・キリストでさえも詭弁の使い手だった、と言われたらどう思うでしょうか? 有名な「罪のない者だけ石を投げよ」という説話に対して、書ではこんな疑問が投げかけられています: こちらは、より典型的な「人に訴える議論」のかたちをなしている。ある女が姦通の罪を犯したことと、それに向かって石を投げようとする人々がまた別の罪を犯している

  • POLAR BEAR BLOG: 続・英語が読めるようになりたい、けど1冊しか参考書を選べないとしたら〜書評『英語ベストセラー本の研究』

    続・英語が読めるようになりたい、けど1冊しか参考書を選べないとしたら~書評英語ベストセラーの研究』 以前「英語が読めるようになりたい、けど1冊しか参考書を選べないとしたら」というエントリを書き、『英文解釈教室』を推薦したのですが、ここで訂正させて下さい。仮にどの1冊を選ぶかを決めるために、もう1冊を選んで良いとしたら(という仮定も変なのですが)……迷わずこの『英語ベストセラーの研究』を推します。 著者の晴山陽一さんは、英語教材の編集、学習ソフトの開発などを手がけられてきた方で、今でも「アマゾンで自分の知らない英語参考書を見つけると、あわててカートに入れてしまう」そうです。「ベストセラーの研究」というタイトルの通り、戦後に日で出版され、話題となった英語を解説してくれるというのがこのの趣旨。しかし内容はそれだけに止まりません: 英語参考書/勉強法のガイドブックとして 戦後日

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