歴史家・石母田正の評伝を出した磯前順一・日文研教授=京都市 「中世的世界の形成」や「歴史と民族の発見」「日本の古代国家」など数々の著作を残し、独自の英雄時代論を展開した石母田。その思索の遍歴は常に時代の流れとともにあり、社会革命を追い求める「行動する歴史家」ゆえに、非情な現実に翻弄(ほんろう)され続けた。 「彼にとって、現実を不平等のない社会に変える、それがすべてだった」と磯前さん。「しかし彼は孤独だった。それが学問的成熟をもたらした」 挫折と敗北の洞察を理論にまで仕上げ(中略)彼は成長していった――。盟友、故・藤間生大(とうませいた)が弔辞でそう読んだように、石母田が理想と現実の乖離(かいり)に身をよじらせ苦悶(くもん)しつつも、それさえ自らの論理を磨き上げる糧としていったのは想像に難くない。 宗教や歴史が専門の磯前さんが石母田にふれたのは20歳のころ。国家論と神話論の鮮やかな結びつきに
「戦争が絶えず弱者が苦しむ世界を、私たちは本気で変革できるのか」。戦後のマルクス主義歴史学をリードした石母田正(いしもだ・しょう 1912~86年)の評伝となる本書を執筆中、この問いが脳裏にこだましていたと振り返る。 旧ソ連が崩壊し、中国が「赤い資本主義」に転じた今、マルクス主義は過去の遺物にも映る。しかし「石母田が掲げた理想は、社会主義国家の鉄のおりのような官僚制とは異なる」と主張。それは、石母田が戦時中に書き進め、敗戦直後に出版した主著『中世的世界の形成』からも見て取れるという。 その舞台は三重県名張市にあった東大寺の荘園・黒田荘(くろだのしょう)。土着の武士たちは、古代的支配者の東大寺との階級闘争に敗北を繰り返し、自立して中世の主役になれなかった。<寺奴(じぬ)>、つまり奴隷としての自意識を拭えず、東大寺の支配を打ち倒す覚悟を決められなかったからだ-。そう指摘した石母田は、武士たちに
","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"
11月23日に開催された大阪大学グローバル日本学教育研究拠点主催のイベント「日本近現代史ワークショップ——Laura Heinさんを迎えて」に登壇のため来阪されたハイン先生と、グローバル日本学教育研究拠点副拠点長の宇野田尚哉先生(大阪大学大学院人文学研究科教授)と、宇野田ゼミの院生である李嘉棣さん、そして私で、22日の午後に淀屋橋の適塾を見学したのち、当館にハイン先生をご案内いたしました。 ハイン先生が監修された『新ケンブリッジ日本史』の第3巻「近代日本と帝国主義(1868年〜21世紀)」は、1990年代に発行された旧版を大幅に書き換え、新たな日本近現代史の歴史像を描き出したものです。その詳細は末尾のリンクからご覧いただくとして、まずは大前提として「明治維新」を「Meiji Revolution」(明治革命)であると規定して、かつての(今も)日本のアカデミズムを規定する講座派歴史学と距離を
政府は、2024年3月1日、地方自治法の一部を改正する法律案(以下「法案」という。)を閣議決定し、法案を国会に提出した。 当連合会は、本年1月18日付けで「第33次地方制度調査会の「ポストコロナの経済社会に対応する地方制度のあり方に関する答申」における大規模な災害等の事態への対応に関する制度の創設等に反対する意見書」(以下「意見書」という。)を公表し、答申に基づく法案の国会提出に反対した。 意見書では、答申の「第4」で示された「大規模な災害、感染症のまん延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態への対応」に関する「国の補充的な指示」の制度の創設は、2000年地方分権一括法により国と地方公共団体が「対等協力」の関係とされたことを大きく変容させるものであるとともに、自治事務に対する国の不当な介入を誘発するおそれが高いなどの問題があることを指摘した。 すなわち、答申の「第4」は、その根拠とする大規
「復活した日常生活。日本語の継続と発展と」 もはやパンデミックは忘却され、プラハも他の欧州と同様、以前の状況をすっかり取り戻しつつあります。あの2年半に得た経験と教訓の上にこれからのチェコの日本語教育を願いながら、最後の記事を書きたいと思います。 <2022年度のカレル大学> 2022年度、私の勤務先であるカレル大学にはうれしいできごとがありました。それは、本学科の重鎮であるヤン・シーコラ先生が、旭日小綬章を受けられたことです。シーコラ先生は日本社会と経済の研究において、長い間チェコの日本研究を牽引してきました。叙勲伝達式はパンデミックにより延期されていましたが、ようやく開催されることになり、同僚の私たちも招待され、いっしょに祝杯をあげることができました。 (在チェコ日本国大使館ウェブサイト掲載ページ) https://www.cz.emb-japan.go.jp/info_ambassa
令和6年1月24日、岸田総理は、総理大臣官邸で米国議会日本研究グループ議員団による表敬を受けました。 もっと見る
アメリカとカナダより日本語弁論大会成績優秀者や日本語学習者が来日します。交流や日本文化体験等を通じて、日本への理解を促進します。日本語弁論大会成績優秀者16名(アメリカ)及び日本語学習者10名(カナダ)を招へいし、東京都、神奈川県、静岡県での交流や関係各所への訪問を通じて、日本語能力の更なる向上と日本への理解を深めます。 アメリカとカナダより、日本語を専攻もしくは第二言語として学習している大学生が来日し、日本における外国人材の活躍促進にかかる講義や視察、「アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター(IUC)」の学生との交流を通じて、日本での留学や就職への関心・意欲を高めます。また、静岡県川根本町では、農家民泊や文化体験を通じて、日本の歴史や文化、社会への理解を深めるとともに、日本の魅力に触れ、そこから得た気づきや学びを積極的に発信します。 なお、本プログラムは、外務省が推進する国際交流事業「
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く