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ブックマーク / book.asahi.com (63)

  • 「石母田正 暗黒のなかで眼をみひらき」 平等と社会革命を追い求めた「行動する歴史学者」の孤独|好書好日

    歴史家・石母田正の評伝を出した磯前順一・日文研教授=京都市 「中世的世界の形成」や「歴史と民族の発見」「日の古代国家」など数々の著作を残し、独自の英雄時代論を展開した石母田。その思索の遍歴は常に時代の流れとともにあり、社会革命を追い求める「行動する歴史家」ゆえに、非情な現実に翻弄(ほんろう)され続けた。 「彼にとって、現実を不平等のない社会に変える、それがすべてだった」と磯前さん。「しかし彼は孤独だった。それが学問的成熟をもたらした」 挫折と敗北の洞察を理論にまで仕上げ(中略)彼は成長していった――。盟友、故・藤間生大(とうませいた)が弔辞でそう読んだように、石母田が理想と現実の乖離(かいり)に身をよじらせ苦悶(くもん)しつつも、それさえ自らの論理を磨き上げる糧としていったのは想像に難くない。 宗教や歴史が専門の磯前さんが石母田にふれたのは20歳のころ。国家論と神話論の鮮やかな結びつきに

    「石母田正 暗黒のなかで眼をみひらき」 平等と社会革命を追い求めた「行動する歴史学者」の孤独|好書好日
  • いま、アジアの文学を読む意味とは 〈アジア文芸ライブラリー〉刊行開始によせて|じんぶん堂

    記事:春秋社 アジアの文学はいま、世界に広がりつつある 書籍情報はこちら 世界に広がる日の文学…? 村上春樹、川上未映子、多和田葉子、柳美里、松田青子、小川洋子……。近年、海外の主要な文学賞で日人作家の受賞やノミネートが取り沙汰されることが増えてきているようだ。 欧米で近年注目されているのは「日文学」だけではない。アジア、アフリカ、ラテンアメリカといった欧米圏以外の地域の文学に注目が集まっていると言っていい。その背景には、これまで英語という単一の言語や、欧米という閉ざされた地域の文学ばかりに注目されていたことへの反省と、地域・言語を超えた多様な世界の文学に新しい表現を求めていることがある。 近代/現代文学という営みがそもそも欧米に端を発するものであることは一旦脇に置くとしても、世界の各地で、それぞれの言葉で、人々は物語を紡ぎ続けてきた。しかし作品への評価はこれまで、欧米の主要な言語で

    いま、アジアの文学を読む意味とは 〈アジア文芸ライブラリー〉刊行開始によせて|じんぶん堂
    egamiday2009
    egamiday2009 2024/05/06
    「文学は分かりやすい見取り図を提供してくれないかわりに、物事の複雑さを複雑なままに届ける…他者を知り、理解することがいかに難しいのかも、文学はまた示している」
  • 大阪・13坪の“街の本屋” 本の力を信じ、声をあげ続ける:隆祥館書店・二村知子さん|じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 「隆祥館書店」店主の二村知子さん 書籍情報はこちら 客に話しかけ、耳を傾け、をすすめる 長堀通に面した、小さな書店。入り口の左右に置かれたラックには、週刊誌や漫画雑誌などが並び、一見、昔はよく見かけた“街の屋”だ。店内に入ると、正面には「隆祥館書店 ノンフィクション大賞」の棚があり、右側には、店主・二村知子さんが「このは多くの人に伝えるべきだ」と強く思った、おすすめがびっしりと並んでいる。この店だけで数百冊を売り、ロングランで売り続けているものも少なくない。店内は一周できるようになっており、奥に進むと月刊誌、実用書、児童書や絵小説、文庫や新書、漫画などが揃う。 雑誌のラックと、イベント「作家と読者の集い」の案内ポスターが並ぶ店頭 この書店を営む両親の長女として生まれた二村さんは、小学2年生から水泳を始め、16歳でシンクロナイズド・スイミング(現アーティス

    大阪・13坪の“街の本屋” 本の力を信じ、声をあげ続ける:隆祥館書店・二村知子さん|じんぶん堂
    egamiday2009
    egamiday2009 2024/02/14
    “セレクトショップなら出版社から直接本を仕入れることができるけど、いろんな本を揃えておくには、取次との取引はなくせません。でも、取次に対しておかしいと思うことは声をあげていきたいと”
  • CAVA BOOKS(京都) 出版営業と二足のわらじ、鯖街道で手に入れた、本と映画に囲まれた暮らし|好書好日

    好き嫌い以前に、なんとなく縁遠い気がする場所やモノがある。私にとってそれは、京都と鯖だった。京都は修学旅行で行くぐらいだったし、「いちげんさん」を受け入れないイメージがある。鯖は子どもの頃にべて、湿疹が出た記憶がうっすらある。 しかし昨年、韓国友人の甥で何度も会っている若者が、京都市内の大学に留学することになった。入学式はコロナ禍まっただ中で、家族は日に付き添えない。私が世話人となり部屋探しから口座開設、家具の買い出しまで手伝った。おかげで大学がある北野白梅町界隈に、今やすっかり詳しくなってしまった。 そんな私は今、京都のその名も鯖街道にいる。鯖街道とは若狭から京まで鯖などの海産物を運んだ道のことで、福井県小浜市から京都市左京区の出町桝形商店街まで続いている。とはいえ鯖を探しに来たのではなく、CAVA BOOKS(サヴァ・ブックス)という名の屋を訪ねるためだ。 インパクト大のこの魚

    CAVA BOOKS(京都) 出版営業と二足のわらじ、鯖街道で手に入れた、本と映画に囲まれた暮らし|好書好日
  • 磯田道史「日本史を暴く」新説や新発見がぎっしりと|好書好日

    大河ドラマなどの歴史時代劇で描かれる時代と言えば、戦国時代か幕末維新と、最近は、おおよそ相場が決まっている。 理由は歴史小説などの題材として盛んにとりあげられてきたため、登場人物になじみのある名前が多く、視聴者が入り込みやすいこと。もう一つは同じ理由から、コアな歴史ファンがすでについていることだ。 書は歴史番組などのコメンテーター・モデレーターとして、すっかりおなじみになった歴史学者、磯田道史(みちふみ)・国際日文化研究センター教授が2017年から22年にかけて新聞に連載したコラムをまとめたもの。 「暴く」とまで言えるかどうかは微妙だが、教科書には書かれていない日史の新説や新発見が、これでもかというほど、ぎっしり詰め込まれている。 1582年に起きた能寺の変で討たれたまま行方不明となった戦国武将・織田信長の遺骸が、実は能寺近くの阿弥陀寺の僧侶によって収容され、同寺に葬られていたと

    磯田道史「日本史を暴く」新説や新発見がぎっしりと|好書好日
  • 視覚障害者専用の読み上げ電子図書館 実用書・ラノベなど1万4000点が無料|好書好日

    アクセシブルライブラリーの利用者IDカードの見。右下の縁がへこんでいて、視覚障害者にもQRコードの位置がわかりやすい=メディアドゥ提供 図書館に出向かなくてもスマホやパソコンで電子書籍を読める「電子図書館」サービスがコロナ禍を背景に広がるなか、インターネットを通じて電子書籍を自動で読み上げてもらえる視覚障害者専用の電子図書館「アクセシブルライブラリー」を、電子書籍取次大手のメディアドゥが開設した。 地域の公立図書館や役所でQRコード付きのIDカードを作れば、スマホなどから無料で専用サイトにアクセスできる。利用できる電子書籍は、今月15日時点でゴマブックス、スターツ出版など出版社5社と青空文庫の計約1万4千点。 数字や固有名詞をゆっくり読むなど高速再生でも聞き取りやすいように工夫され、声質も8種類から選ぶことができる。自動読み上げは固有名詞の読み方やイントネーションが正確でない場合があるほ

    視覚障害者専用の読み上げ電子図書館 実用書・ラノベなど1万4000点が無料|好書好日
    egamiday2009
    egamiday2009 2023/01/22
    “インターネットを通じて電子書籍を自動で読み上げてもらえる視覚障害者専用の電子図書館「アクセシブルライブラリー」を、電子書籍取次大手のメディアドゥが開設”
  • 中上健次、没後30年の「熊野大学」 濃密な言葉の海、いまもなお|好書好日

    中上健次=1976年 熊野大学は「建物も入学試験もない、卒業は死ぬ時」とうたい、90年に中上が生まれ故郷で始めた。文化人を招き、講座を開く。ときに句会あり、ときに野球大会あり。2019年以降は台風やコロナ禍で中止が重なり、夏期開催は4年ぶりとなった。 長女で作家の中上紀(のり)さんは講演で父としての中上健次を振り返った。「父から大学を作ると聞いたとき、適当な思いつきを言っていると思った」と紀さん。「同時に壮大な思いつきは考え抜いた計画だろうとも思いました。そして実際に実現した」。一周忌以降の毎夏、参加している。濃密な言葉の海は紀さんを文筆の道へいざなった。 「熊野大学は父に会う場所であり、同時に父が抱いた志を再確認する場所でした」と紀さん。「30年たった今、我々の世界は権力への忖度(そんたく)や暴力への屈服がはびこっている。健次の残した宿題は、いつまでも終わらない」 今回初めて登壇した、作

    中上健次、没後30年の「熊野大学」 濃密な言葉の海、いまもなお|好書好日
    egamiday2009
    egamiday2009 2022/11/06
    “熊野大学は「建物も入学試験もない、卒業は死ぬ時」とうたい、90年に中上が生まれ故郷で始めた。文化人を招き、講座を開く。”
  • 上野に隠れ家のような本屋 カフェ・パン屋・ギャラリーも併設、ゆっくり楽しむ:ROUTE BOOKS|じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 「ROUTE BOOKS」選書担当・石川歩さん 書籍情報はこちら 多様な人々が出入りするJR上野駅の入谷改札を出てから徒歩3分ほど。反対側の上野公園やアメ横の喧騒とはうって変わった静かな住宅街に「ROUTE BOOKS」はある。外も中も植物があふれていて、森の中の隠れ家のような空間だ。 リノベーションに特化する工務店・ゆくい堂が2015年に設立。建物や廃材を再利用する精神を大切にしていて、たとえば棚は隣の作業場で廃材から作られている。書店だけでなく、カフェ、パン屋、ギャラリーなども入っている。 選書を担当するのは、フリーランスの編集者でライターの石川歩さん。出版社やIT企業などの勤務を経て独立し、スポーツ、暮らしなどの分野をメインに執筆・編集をしている。会社員時代に取材でゆくい堂の代表と知り合ったことがきっかけで、声をかけられたそう。 店内のの冊数は4000

    上野に隠れ家のような本屋 カフェ・パン屋・ギャラリーも併設、ゆっくり楽しむ:ROUTE BOOKS|じんぶん堂
  • 妊娠出産の選択 ウーマンフッドという鉄路 鴻巣友季子〈朝日新聞文芸時評22年7月〉|好書好日

    青木野枝 寒天5 米国のノーベル文学賞詩人ルイーズ・グリュックに「ユートピア」という詩がある。祖母の元へ行くため列車に乗る少女と、送りだす母のような女性。少女は尋ねる。「この列車で良いかどうしてわかるの?」。女性は答える。「正しい時に来たなら、正しい列車なんです」。汽車の煙突からは黒い煙が噴きだし、車内から奇妙な呻(うめ)き声が聞こえる――。 この線路を、死へ向かう人間の運命や、生まれた環境で規定される人生に喩(たと)えることもできるだろう。私にはウーマンフッドという鉄路のようにも見える。時期が来たら乗るよう促され、結婚、出産、子育てと止まることなく進もうとする列車。 セクシュアル・リプロダクティブ・ライツ――性と妊娠出産に関わる意思決定権は当人にあるというのが、現代における国際合意である。ところが、この合意が近年世界中でゆらぎ、脅かされている。日よりずっと先を行っていたはずの欧米が逆戻

    妊娠出産の選択 ウーマンフッドという鉄路 鴻巣友季子〈朝日新聞文芸時評22年7月〉|好書好日
    egamiday2009
    egamiday2009 2022/08/21
    “「汽車は待ってくれんぞ」と父親に背中を押される。終着駅のわからない路線、生気のない人びとの顔、降車を必死で拒もうとする女、蔓延(まんえん)する無関心”
  • 不当な支配に服することなく―映画「教育と愛国」が問うもの 松本創さん寄稿|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 映画教育と愛国」を監督した斉加尚代さん(毎日放送報道情報局ディレクター) 書籍情報はこちら 日の学校は心を育てるところではない。政府が選んだ事実や認められた思想のみが教えられる。教育の目的は、同じように考える子どもの大量生産である 公開中のドキュメンタリー映画教育と愛国」(斉加尚代監督)の冒頭、古いモノクロ映像とともに英語のナレーションが流れる。太平洋戦争末期にアメリカで作られた国策映画。そこに映る日の戦時教育は確かに異様だ。だが、これは敵国への恐怖と憎悪を煽るプロパガンダに過ぎないのだろうか。77年前に終わった過去だと片づけられるだろうか──。 右派の標的になり教科書会社は倒産、学校には大量の抗議はがき 「教育と愛国」は、大阪の毎日放送(MBS)で記者/ドキュメンタリーディレクターとして20年以上学校現場を取材してきた斉加監督が、2017年に制作した同名の番組をも

    不当な支配に服することなく―映画「教育と愛国」が問うもの 松本創さん寄稿|じんぶん堂
    egamiday2009
    egamiday2009 2022/07/05
    “政治の介入は教員を委縮させ、疲弊させる。創意工夫を奪う。維新の教育改革で大阪の学校は明らかに活力を失った…誰も意見を口にせず、会話もない。校長先生の連絡事項に黙って従うだけ“
  • 批評とは何か? 「ポスト」クリティークが叫ばれる時代に改めて問い直す(杉田俊介)|じんぶん堂

    記事:作品社 黒田清輝〈読書〉(部分)(1891) 出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/) 書籍情報はこちら 一対一で、対峙する 批評とは何か。若い頃から批評を志しながら、恥ずかしいことに、いまだによくわかっていない。 ただ、次のことは考える。批評の原点には、一対一で対象に対峙する、という関係性がある。素朴で孤独な営みである。それは依然変わらずある。 対象はもちろん小説作品に限らない。ただ一人で、数多くの優秀な人間が関わった総合芸術のような巨大な作品にも向き合わねばならない。考えてみればそれはいささか異様なことでもある。めまいを覚えるような圧倒的な無力さがあるだろう。 しかし思えば、批評という営みのある一断面は、そうした無力さと切り離せないのではないか。既存の一般的な価値判断に頼れず、自分にとっての美的な価値を自分の言葉で創造し、産出しなければならな

    批評とは何か? 「ポスト」クリティークが叫ばれる時代に改めて問い直す(杉田俊介)|じんぶん堂
    egamiday2009
    egamiday2009 2022/06/24
    “批評の原則の一つは自らの足元の内省にあるとしても、ホモソーシャルな共同性を維持強化する内省ではなく、自分(たち)の閉鎖性を外へ開いていくような解放的な形での内省があるはず”
  • 松田青子さんが主人公の姿に釘づけになったドラマ「悪女(わる)」 女性が自由に働ける夢、社会に放った|好書好日

    私が十代の頃、テレビの中では、女性がセクハラされるのが日常のこととして描かれていた。 今でも忘れられないドラマの場面がある。それはショートオムニバスドラマで、会社の温泉旅行の幹事になったOLが主人公だった。宴会の出し物の一つとして、浴衣を着た新人OLたちがステージの上に呼び集められ、周囲の男性社員たちが合図して、女性たちの浴衣の裾を引っ張り上げる。当然彼女たちの下着が露になり、彼女たちが悲鳴を上げる一方、男性社員たちは大喜びするという場面だった。 主人公のOLの目にそれは醜悪なものとして映っており、男性社員たちの酔いに任せたセクハラの現場の数々を写真に収めた彼女は、旅行後、記念写真ですとそれらの写真を彼らに配ってまわり、復讐する、という話だった。セクハラは悪いことという意識はあっても、いつもどこか冗談めかされ、軽いものとして描かれていた。私は子どもで、当時の実際の会社の状況を知る由はなかっ

    松田青子さんが主人公の姿に釘づけになったドラマ「悪女(わる)」 女性が自由に働ける夢、社会に放った|好書好日
  • 双子のライオン堂(東京) 100年残したい選書を並べ、赤坂の地で考える「100年続く本と本屋」|好書好日

    これまで何度か「屋がある思い出の街」について書いてきたけれど、思い出というものは決して良いばかりではない。トラウマとセットになっている街も、当然ある。私にとってそれは、赤坂だった。 ドキュメンタリー番組が作りたい一心で試験をかいくぐり、意気揚々と入社した会社の分室があった。しかしいざ入ってみると仕事は多忙を極め、先輩は皆怖くて、私は仕事が全くできずどうしていいのかわからないまま、1年でリタイアした。 そんな痛いばかりの赤坂を、以来私はなるべく避けていた。だから双子のライオン堂に行くのも、若干の勇気がいった。 久々に赤坂駅から乃木坂方向に歩く。しばらくぶりに来たから、先輩に深夜無理やり連れていかれた中華料理屋が今も存在していたのには、ちょっと笑ってしまった。 「」の文字が屋であることを主張している。 その店の角を氷川神社方向に曲がると、かつての職場がある。スルーしてさらに進んでいくと、

    双子のライオン堂(東京) 100年残したい選書を並べ、赤坂の地で考える「100年続く本と本屋」|好書好日
  • 作家・柳美里さんが福島につくった本屋「フルハウス」 絶望した人の「魂の避難場所」に|好書好日

    文・写真:土井大輔 柳美里(ゆう・みり)小説家、劇作家 1968年、茨城県土浦市生まれ。高校中退後、ミュージカル劇団「東京キッドブラザース」を経て、87年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。93年、『魚の祭』で第37回岸田國士戯曲賞を最年少で受賞。96年、『フルハウス』で第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。97年、『家族シネマ』で第116回芥川賞を受賞。2020年、『JR上野駅公園口』で全米図書賞(翻訳部門)を受賞。15年から福島県南相馬市に居住。18年4月、南相馬市小高区の自宅でブックカフェ「フルハウス」をオープン。 福島県南相馬市は南北に長く、南は東京電力福島第一原子力発電所が立地し「警戒区域」となった双葉郡と接しています。そのため、東日大震災では津波だけでなく、原発事故による放射能汚染の被害も受けました。震災から10年が経とうとしている今も、市内には放射線量が高い「

    作家・柳美里さんが福島につくった本屋「フルハウス」 絶望した人の「魂の避難場所」に|好書好日
  • 若者の2割がアンダークラス 非正規、低賃金、未婚でぎりぎりの生活 ――宮本みち子さんに聞く|じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 『アンダークラス化する若者たち』の編著者、宮みち子さん 書籍情報はこちら 非正規雇用、失業、無業 ――アンダークラスの若者たちとはどんな層で、どのくらいの規模で存在するのでしょうか。 アンダークラスには、非正規雇用者が大きな一群として存在しますが、さらにその周囲には、ある時は非正規で働き、ある時は無業でいたり、ある時は引きこもっていたり、その時々で労働市場に入ったり出たりしている若者と、労働市場にまったく入れない若者とが混在しています。このでは、非正規雇用よりさらに一層不安定な状態にいる人、無業者まで含めて、アンダークラスだと考えました。 『アンダークラス化する若者たち ――生活保障をどう立て直すか』(明石書店) おおよそ若者の2割に達していると考えられます。総務省の労働力調査(2020年平均)によると、15歳~34歳では非正規労働者が約512万人(この年代の人

    若者の2割がアンダークラス 非正規、低賃金、未婚でぎりぎりの生活 ――宮本みち子さんに聞く|じんぶん堂
    egamiday2009
    egamiday2009 2021/05/13
    “子育てや介護をしなければならない人に、もっと柔軟な働き方を可能にして、社会に参加し、人並みの暮らしができる安心感を与えることが必要だと思います。それらがセットになったものを生活保障と考えます”
  • 「コンヴァージェンス・カルチャー」書評 ネット発「合流」活動は解放区か|好書好日

    コンヴァージェンス・カルチャー ファンとメディアがつくる参加型文化 著者:ヘンリー・ジェンキンズ 出版社:晶文社 ジャンル:社会学 コンヴァージェンス・カルチャー ファンとメディアがつくる参加型文化 [著]ヘンリー・ジェンキンズ かつてインターネットが「パソコン通信」だったころ、一部のユーザーの間で「壁新聞時代の再来」を期待する声があった。1960年代若者文化の気ままな「解放区」がネット空間に蘇(よみがえ)る、という願望である。 書はその衣鉢を継ぎ、「ネットとポップカルチャーと民主主義」の合流を説いてメディア論の古典となりつつある理論書である。 「コンバージェンス」は複数のコンテンツとプラットフォームとメディアの間をユーザーが自在に行き来する能動的な「集合」や「合流」の意味。ファンが勝手に物語のキャラクターを使う「二次創作」などのファン文化もこれに当たる。 副題には「参加型文化」とあるが

    「コンヴァージェンス・カルチャー」書評 ネット発「合流」活動は解放区か|好書好日
    egamiday2009
    egamiday2009 2021/04/29
    これは読む。
  • 30歳以下の投票による「アンダー29.5人文書大賞」 「若者たちが選ぶ本は一般のランキングとは違う」|じんぶん堂

    記事:じんぶん堂企画室 「アンダー29.5人文書大賞」ベスト5を並べた棚の横に立つ松尾つぐさん。棚に使っているのは、東京都世田谷区にあるムカイ林檎店から譲ってもらった木箱 書籍情報はこちら 若者たちがどんなを読んでいるのかを発信したい ――マルジナリア書店、《アンダー29.5人文書大賞》をはじめます―― 今年1月末、このツイートで《アンダー29.5人文書大賞》開催が発表された。 企画した松尾さんが店長を務めるマルジナリア書店は、今年1月2日にオープンしたばかり。堀之内出版の編集者だった小林えみさんが2017年に設立した出版社「よはく舎」が「書店員さんの活躍できる場を出版社が支援する」というスタンスで運営している。店名のマルジナリアとはの余白への書き込みを意味する言葉。「よはく(余白)」から連想して名付けられた。 分倍河原駅前のビル3階にある店を日曜の午後に訪ねた。小林さんと松尾さんが店

    30歳以下の投票による「アンダー29.5人文書大賞」 「若者たちが選ぶ本は一般のランキングとは違う」|じんぶん堂
  • 日本文学、他言語ではどう読まれた? 「春の庭」作者・柴崎友香さん×海外の翻訳者が座談会|好書好日

    フランスの翻訳者、パトリック・オノレさんが翻訳するにあたって描いた「春の庭」の舞台となるアパート「ビューパレスサエキⅢ」の図。作者の柴崎友香さんも「合っています」と太鼓判を押した=国際交流基金(JF)提供 日文学の海外での翻訳が活発だ。では翻訳される言語によって、作品の読まれ方がどう変わるのか。作者と海外の翻訳者たちが語り合う企画が始まった。初回は、柴崎友香さんの芥川賞受賞作『春の庭』。翻訳であらわになった、人間の共通項と文化の差異とは。 1月29日にあったオンライン座談会は、国際交流基金(JF)が企画。登場したのは、ベルギー在住でオランダ語に翻訳したリュック・ヴァンホーテさん、フランスのパトリック・オノレさん、英国のポリー・バートンさん、台湾の黄碧君(ファンビジュン)さん。 『春の庭』の主人公は、東京・世田谷の取り壊しが迫るアパートに住む。住人の女性が、隣の家に並々ならぬ関心を寄せてい

    日本文学、他言語ではどう読まれた? 「春の庭」作者・柴崎友香さん×海外の翻訳者が座談会|好書好日
  • 「ツンデレ」は中国語で何と呼ぶ? 中華圏の濃すぎるオタク用語を翻訳した“怪辞書”「中華オタク用語辞典」|好書好日

    はちこ「現代中華オタク文化研究会」サークル主 1990年生まれ。中国江蘇省出身。日のアニメ好きが高じて2011年に来日。名古屋大学大学院修士課程を修了後、都内勤務。書の元となった同人誌中華オタク用語辞典」を執筆。17年にコミケデビューして頒布し評判を呼んだ。今も中華オタク関係の同人誌に執筆。 ――書は、中華圏で使われる漫画やアニメ、アイドルといったジャンルのオタク用語やネットスラングを和訳した「中日辞書」です。語義に加え、オタク同士の会話やネットの書き込みなどを模した例文や、中国オタクに関する解説文が見どころです。「萌豚」は「萌え系コンテンツに夢中な男性オタク」、「腐女」は「腐女子」など、日語のスラングとほぼ同じ言葉も多いですね。まさか、ドラゴンボールの名台詞「戦闘力たったの5…ゴミめ…」(战五渣 ヂャンウーヂャ)が海の向こうでも浸透しているとは……。オタクあるあるネタ満載の例

    「ツンデレ」は中国語で何と呼ぶ? 中華圏の濃すぎるオタク用語を翻訳した“怪辞書”「中華オタク用語辞典」|好書好日
    egamiday2009
    egamiday2009 2020/07/21
    “海賊版が視聴されていた中国でも、これからは日本のコンテンツが(投資)回収できる時期に入ってきています”
  • 400年前の生の日本語がわかる! 希少な「日葡辞書」高精細カラー印刷で再現|好書好日

    1603~04年にかけて、金属活字印刷物として長崎で刊行されたキリシタン版の『日葡(にっぽ)辞書』。2年前にブラジルの国立図書館で見つかった世界で5冊目となる同書を高精細カラー印刷で再現した『リオ・デ・ジャネイロ国立図書館蔵 日葡辞書』(エリザ・タシロ、白井純編、八木書店)が刊行された。 同書は、様々な階層の日人の告白などを理解するため、イエズス会が刊行したもので、アルファベット順に並ぶ見出しの日語は約3万2千。そこにポルトガル語で注釈が付されている。Vofuru(お古)のような女性語から、文書語や仏教語、Fiyori(日和)とTenqi(天気)といった同義語、さらには「太平記」などからの引用や説明も。すべての日語がローマ字で記載されている点も重要で、室町時代末期の日語の標準音を知ることもできる。 これまでにパリ国立図書館所蔵など計4冊が確認されているが、単語によって記述に違いが

    400年前の生の日本語がわかる! 希少な「日葡辞書」高精細カラー印刷で再現|好書好日
    egamiday2009
    egamiday2009 2020/06/14
    “これまでにパリ国立図書館所蔵本など計4冊が確認されているが、単語によって記述に違いがあり、今回の復刻ではそれらを対照した画像と考察も収録”