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ブックマーク / www.news-postseven.com (32)

  • 《京都名門女子高の内紛》差別発言、パワハラの92歳独裁理事長が辞任も本人は「名誉理事長」に君臨

    創設148年を誇る京都の名門女子高校・平安女学院の山岡景一郎理事長(92)が、4月2日付で理事長の職を辞任することが「NEWSポストセブン」の取材でわかった。山岡理事長を巡っては、卒業式での差別発言や教職員へのパワハラ行為などが学校内で問題となり、内紛騒動に発展していた。 ことの発端は、2021年3月に行われた平安女学院高校の卒業式の式辞でのこと。山岡理事長が述べた「ブランド大学」「5種類の人間」発言だった。 『小さくてもエルメスやヴィトンとか、そういうようなブランドというのは小さくてもピカッと光っています。私どもの(?)学生たちはそういうブランド大学だという誇りをもっています』 『世の中には5種類の人間がいます。1人は世の中にどうしてもあってほしい人。2番目はどちらかというとまあ、いてほしい人。3番目は世の中にいてもいいひんでもいい人。4番目は世の中におったらあまりよくない人。5番目は世

    《京都名門女子高の内紛》差別発言、パワハラの92歳独裁理事長が辞任も本人は「名誉理事長」に君臨
    egamiday2009
    egamiday2009 2023/05/07
    「責任を問いただしたのが1年生と2年生からなる数名の生徒有志でした。彼女らは生徒会と協力して行動に移しました」
  • 鬼滅、初音ミク、エヴァ… 渋谷ハロウィン、外国人たちはどう楽しんでいたか

    3年ぶりに行動制限のないハロウィンを迎え、東京・渋谷は“お祭り”ムードに包まれた。 韓国・梨泰院で10月29日に起きた雑踏事故を受けて厳戒態勢が敷かれる中、ひときわ目を引いたのが、様々なキャラクターに仮装した外国人たちだった。29日からの週末3日間、ごった返す繁華街に密着した。 舞妓姿でセンター街を練り歩いていたのは、アメリカから来たIT系企業の社員・ジェフリー・ブランドさん(36)。 「和服大好き。舞妓さんになって歩けて嬉しいです。着物と鬘、帯を買って、着付け代は2万円でした」 フランスから来たイヴァノフ・ヴィンセントさん(34)は、夫婦で来日。エヴァの衣装は「まんだらけ」で購入したという。 「エヴァンゲリオンのアスカ、私はただの王様です(笑)。の衣装は3万円で購入しました」 ハチ公前で、アニメのキャラでポーズを取ったのはイタリアのエミーさん(写真左端)。23歳の大学生で、「日

    鬼滅、初音ミク、エヴァ… 渋谷ハロウィン、外国人たちはどう楽しんでいたか
  • ウクライナ避難民女性と日本人の身元保証人にトラブル続発 78人が日本から出国

    戦地を免れ、命からがら辿り着いた地から、また逃げ出すことになるとは。日に避難したウクライナ人女性と、身元保証人男性とのトラブルが続発、避難先を離れざるを得なくなる事例が相次いでいるという。ノンフィクションライター・水谷竹秀氏がレポートする。【前後編の前編】 * * * 盆明けの8月16日、在日ウクライナ大使館領事部に、次のようなメールが届いた。 「できるだけ早くウクライナに戻れるように手伝ってください。もうこの国にいたくありません。早く帰りたいです。私は肉体的、精神的にとても疲れています。外国人に対する日人の態度にはうんざり。助けてください」 送信者は、ウクライナ北部出身のオレーナさん(仮名、30代)。4月5日、林外相を乗せた政府専用機で来日した避難民20人のうちの1人だ。 以来、彼女は地方の農村部で暮らすことになった。来日当初、その姿は地元のテレビや新聞などで大きく報じられた。地域の

    ウクライナ避難民女性と日本人の身元保証人にトラブル続発 78人が日本から出国
  • 甲子園で起きている性被害【前編】「密着取材」の暗部を女性記者が実名告発

    MeToo運動が広まり、映画界をはじめとする「性暴力問題」の告発が相次ぐなか、それを報じる新聞社が見ないふりをしている性被害があった。その現場は、高校球児の聖地・甲子園。当事者たちが実名で告発する。【前後編の前編】 * * * 夏の甲子園を目前に、全国各地で高校野球の地方大会が開催されている。 今年の甲子園は3年ぶりに観客の入場制限が撤廃されて盛り上がることが予想されるが、その陰で浮上したのが、女性記者が被る性被害問題だ。 〈詳細を初めて知って衝撃。私も甲子園で担当チームの取材中に被害を受けたから。表に出ていないだけで、女性記者への性加害はこれまでもけっこう起きているのではないだろうか〉 7月4日にツイッターでそう発したのは元朝日新聞記者の柴田優呼氏だ。高校球児たちが夢見る聖地で性被害が起きているという告発には多くの反応が寄せられている。 柴田氏が改めて誌・週刊ポストの取材に答えた。 「

    甲子園で起きている性被害【前編】「密着取材」の暗部を女性記者が実名告発
    egamiday2009
    egamiday2009 2022/08/13
    「選手も指導者も全員男性で、女性はケア要員やチアリーダー役です。“男が主役”という価値観が浸透している集団の中に女性記者が『主催社』側として現われても、正当に扱われず“慰安役”のようにみなされ」
  • 「無報酬」と胸張った森喜朗氏 五輪納入業者などから年6000万円献金

    女性蔑視発言をきっかけに、五輪・パラリンピック組織委員会会長を辞任することとなった森喜朗氏。森氏は自著『遺書 東京五輪への覚悟』(2017年 幻冬舎刊)に、組織委の仕事は「無報酬」であることを誇らしげに記していた。 〈(ロンドン五輪組織委のセバスチャン・コー会長は)年間六千万円だか八千万円だかを貰っていたそうです。それに引き換え日の組織委員会会長は、一円も貰っていないどころか、飯代も自分、車代も自分、運転手も自分で雇っています〉 だが、その“ボランティア精神”は当なのだろうか。森氏は2012年に政界を引退したが、自身の政治資金管理団体「春風会」は2017年まで存続した。その収支報告書を見ると、組織委会長に就任した2014年1月以降も多額の資金を集めていたことが分かる。 2014年は年間で6000万円超の収入があり、そのうちパーティー券収入は約5200万円。2016年にはザ・プリンスパー

    「無報酬」と胸張った森喜朗氏 五輪納入業者などから年6000万円献金
    egamiday2009
    egamiday2009 2022/08/13
    そりゃ無理くりでも開催するし、札幌もやりたいわなあ。
  • 黙殺された野村総研の“TV消せばエアコンの1.7倍節電”報告

    「こまめに電灯を消そう」「エアコンの設定温度を28度に」――テレビのワイドショーでは、様々な節電方法が連日紹介されている。その一方で、黙殺され続けている一番効果的な節電方法がある。 それはズバリ「テレビを消すこと」だ。 興味深いデータがある。野村総合研究所が4月15日に発表した『家庭における節電対策の推進』なるレポート。注目したいのは「主な節電対策を講じた場合の1軒あたりの期待節電量」という試算だ。 これによれば、エアコン1台を止めることで期待できる節電効果(1時間あたりの消費電力)は130ワット。一方、液晶テレビを1台消すと220ワットとなる。 単純に比較しても、テレビを消す節電効果は、エアコンの約1.7倍にもなるということだ。 この夏、エアコンを使わずに熱中症で亡くなる人が続出している。にもかかわらず「テレビを消す」という選択肢を国民に知らせないテレビ局は社会の公器といえるのか。 自分

    黙殺された野村総研の“TV消せばエアコンの1.7倍節電”報告
    egamiday2009
    egamiday2009 2022/06/28
    2011年。
  • 【書評】『地下出版のメディア史』表と裏を越境することで人文知は更新されるか

    書評】『地下出版のメディア史 エロ・グロ、珍書屋、教養主義』/大尾侑子・著/慶應義塾大学出版会/4950円 【評者】大塚英志(まんが原作者) 梅原北明と聞けば、ぼくより上の世代はにやりとするだろうが、書は八九年生まれの著者によって書かれ、その学術的意義や研究書としての細部への目配りには別の誰かが評価すればいいが、近頃、気になるのはこの研究のことを言うわけでないが、かつての「在野」で自明のことであった人や領域や事象がアカデミズムにあたかも新しいことのように「発見」される傾向だ。そして、それがあたかも従来の硬直したアカデミズムの更新に寄与するようにしばしば語られる。 ぼくの世代の印象であれば、梅原北明やカストリ雑誌は、総会屋雑誌あたりで屈折しまくった左派だか右派だかわけのわからない人々が熱心に論じていた対象で、その上に得体の知れない「在野の」などと穏当に形容のしようのない怪物じみた蒐集家が

    【書評】『地下出版のメディア史』表と裏を越境することで人文知は更新されるか
  • 主演作でイメージ覆した佐藤二朗 絶妙な“おかしみ”が見せる新たな顔

    1月21日より公開中の佐藤二朗(52才)主演の映画『さがす』。作は、失踪した父と、その父を必死に捜す娘の関係を描いたサスペンス。先の読めない物語や俳優たちの名演に唸る人も多く、SNSなどの口コミには「緻密な物語の構成に衝撃を受けた」、「佐藤二朗の実力を思い知らされた」といった言葉が並んだ。特に注目なのが、やはりシリアスに徹した佐藤の演技だ。佐藤が見せる俳優としての新たな一面について、映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんが解説する。 * * * 作は、初長編映画『岬の兄妹』が国内外で高い評価を受けた片山慎三監督(40才)の長編2作目にして商業デビュー作。次世代クリエイター映画開発プロジェクト「CINEMUNI」の第一弾作品だ。「指名手配中の連続殺人犯を探す」と口にして失踪した男とその娘、そして彼らに関わる周囲の者たちの姿を独自のタッチで描き出し、シリアスなトーンながらもエンターテイン

    主演作でイメージ覆した佐藤二朗 絶妙な“おかしみ”が見せる新たな顔
  • アニメやゲーム業界「日本人は安くて助かります」その由々しき事態

    2021年7月、香港で開催されたアニコム香港の様子。アジア圏で日のアニメ、ゲームの人気は高い(AA/時事通信フォト) 「中抜き」とは、来はビジネス用語で中間業者を使わず直接取引することを指すが、現代では中間業者や関係者のピンハネ、不当な搾取に対して使われるようになった。それがしばしば起きる労働現場のひとつにアニメやゲームなどのエンタメ、クリエイティブ業界がある。クリエイターとして正当な報酬が得られる場所を求めるのは当然で、近ごろは依頼元に金払いがよい中国企業というケースも増えてきた。これは創作に携わる者に限った話ではなく、30年間平均賃金の上がらない日の労働者の今後にも当てはまるのではないか。俳人で著作家の日野百草氏が、中国からイラストやアニメの仕事が増えている背景と日の事情について当事者たちに「安い日人」の実態を聞いた。 * * * 「日のクリエイターはとても質が高いのに安い

    アニメやゲーム業界「日本人は安くて助かります」その由々しき事態
  • 【書評】『土偶を読む』人文知と情報論的知の対話の可能性を持つ貴重な試み

    書評】『土偶を読む 130年間解かれなかった縄文神話の謎』/竹倉史人・著/晶文社/1870円 【評者】大塚英志(まんが原作者) 考古学や縄文研究の非アカデミシャンによって書かれた書の憤る、アカデミズムのいやらしいほどの排他性を著者以上に身を以て日々経験している身としては、その正当性に限れば誰より深く同意する。しかし書を実際に読んでみるとそこにあるのは在野VSアカデミズムだけでなく、人文知と情報論的知の乖離という、もう一つの問題ではないか、とも感じた。 書へのアカデミズムの側の批判として説得力を持つのは土偶のモチーフの変遷、つまりその様式がいかなるプロセスで成立してきたかという考古学の蓄積が無視されている点だ。 デザイン的に「シンプルな造形」を任意に「原型」を設定することは、AIの研究者などがローデータを入力するための枝葉を落とし整理する手続きにそれこそ「似て」いる。カタチをデジタル

    【書評】『土偶を読む』人文知と情報論的知の対話の可能性を持つ貴重な試み
    egamiday2009
    egamiday2009 2021/08/28
    “そこにあるのは在野VSアカデミズムだけでなく、人文知と情報論的知の乖離という、もう一つの問題”
  • 【辻田真佐憲氏書評】専門知をどのように世に広げていくか

    書評】『韓非子【第一冊】』/韓非・著 金谷治・訳注/岩波文庫/970円+税 【評者】辻田真佐憲氏(近現代史研究者) 二〇二〇年は、ファクトやエビデンスの限界がいよいよ明らかになった年だった。アメリカ大統領選挙では陰謀論が吹き荒び、日では相変わらず歴史修正主義が収まるところを知らない。コロナ禍をめぐっても、世界中で根拠のない風説が飛び交った。 もちろん、メディアなどでファクトチェックは盛んに行われている。にもかかわらず、それが十分な効果を発揮しない。それは、説得という問題にわれわれがあまりに無頓着だったからではないか。 人間には寿命があり、能力にも時間にも限りがある。日々忙しいなかで、ただデータを積み上げて「どうだ、読め!」と迫るだけでは、物事は動かない。情報をわかりやすく加工し、物語化し、ひとびとに伝える努力がここで重要になってくるのである。 中国戦国時代の思想家・韓非は、その古典的名

    【辻田真佐憲氏書評】専門知をどのように世に広げていくか
    egamiday2009
    egamiday2009 2020/12/24
    “日々忙しいなかで、ただデータを積み上げて「どうだ、読め!」と迫るだけでは、物事は動かない。情報をわかりやすく加工し、物語化し、ひとびとに伝える努力がここで重要”
  • 日本史に刻まれる「鬼」 社会が不安定な時代にブームが到来

    人気コミック『鬼滅の刃』が子供から大人まで熱狂させている。関連グッズは溢れ、世はすっかり“鬼ブーム”だ。 舞台は大正時代の日。「鬼」に家族を殺され、唯一生き残った妹も鬼にされてしまった。主人公は家族の仇を討ち、妹を人間に戻すために、「鬼殺隊」として鬼との死闘を繰り広げる──。 10月16日に封切りされた映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、史上最速で興行収入100億円を突破し、公開から1か月で259億円超となる空前の大ヒットを記録している。原作コミックも売り切れが続出した。 なぜ「鬼」をテーマにした作品が、これほど人々を惹きつけるのか。日歴史を紐解くと、いつの時代にも「鬼」の存在が身近にあったようだ。 『鬼と日人』など鬼に関する複数の著書がある、国際日文化研究センター名誉教授の小松和彦氏が語る。 「日人は古くから鬼を“人間の裏返し”として思い描いてきました。人間が抱く反社会的

    日本史に刻まれる「鬼」 社会が不安定な時代にブームが到来
  • 春画を一般販売する店が増加中 どこで買える?値段は?

    もはや春画は図録や美術雑誌で眺めるだけのものではない。江戸の絵師や彫師、摺師が職人技で創りあげた名作・傑作が数万円から手に入る時代になってきた。日が生んだ春画アートを手に入れる方法を解説する。 「できることなら、美しい春画を自宅で鑑賞したい──」。約6年前から、そんな願いが段階的に叶えられるようになってきているという。国際日文化研究センター名誉教授の早川聞多氏が語る。 「春画の販売は明治時代に条例が制定されてから規制され続けてきました。しかし近年、フィンランドの美術館など海外の有名美術館で次々と展覧会が開催され、2013年に大英博物館で『春画展』が開催されたことを契機に、一気に一般販売を行なう店が増えてきました」 では、実際に春画を購入するためにはどうすればいいのか。東京・南青山のギャラリー『紅屋』の高島匡夫氏が解説する。 「春画を取り扱うのは当店のような絵画ギャラリーや古書店、あとは

    春画を一般販売する店が増加中 どこで買える?値段は?
    egamiday2009
    egamiday2009 2020/01/05
    ICOM会場で来日参加者から「春画はどこで買える?」と何度も聞かれたです。
  • 【井上章一氏書評】大学の外で輝きを放つ研究者の寄稿集

    書評】『在野研究ビギナーズ──勝手にはじめる研究生活』/荒木優太 編・著/明石書店/1800円+税 【評者】井上章一(国際日文化研究センター教授) 学者のつどう学界にも、いわゆる学界政治はある。学術的な当否だけで、研究者が自分のとるべき行動を、きめているわけではない。処世上の思惑や出世への打算も、彼らの振舞を、大なり小なり左右する。 学会の集まりで、老大家がとりまきの大学人たちからちやほやされている。編者は、在野の研究者だが、そんな光景に違和感をいだくという。大学の学問はみな愚劣だと言う山哲士にインタビューを敢行したのも、そのためか。 大学に職を得なかった研究者たちの文章を、このは十四点あつめている。インタビューの記録も、さきほど紹介した山のそれをふくめ、三点ある。さまざまな角度から、大学という制度の外で、どのような学問がなりたつのかを問うている。 くりかえすが、編者にはアナーキ

    【井上章一氏書評】大学の外で輝きを放つ研究者の寄稿集
  • ネットと無縁の井上章一氏「PCスマホなくとも不便ない」

    パソコンもスマホも持たず、インターネットとは無縁の生活を送っている井上章一氏(64=国際日文化研究センター教授)。近頃はそのことで「生きづらさ」を感じることが増えているという。 「いまの世の中は『年寄りでも、ネットを使わないなんてあり得ない』というのが前提になっています。 ホテルに泊まるときは、フロントのスタッフから、Wi-Fiっていうの? あれのやり方を毎回説明されます。『もういらん!』とは思いますが、いちいち言うのも面倒なので、一応最初から最後まで全部聞きますけどね」 宿泊先のホテルだけでなく、職場でも同じような「面倒」が繰り返されているそうだ。 「近年、全国の大学や研究機関では、外部からパソコンに侵入してくるハッキングが大問題になっているらしく、私が所属する国際日文化研究センターもしばしば攻撃を受けているそうです。そのため各研究機関ではハッキング対策の講習会が行なわれるようになり

    ネットと無縁の井上章一氏「PCスマホなくとも不便ない」
  • 見世物小屋に売られ標本にされた黒人女性に見る「知の特権」

    このの重要な点は「嫌悪という差別」ではなく「性的魅力という差別」を描いたことである。これもまた偏見による“誤った長所”だ。日に滞在するアフリカ人男子留学生がしばしば不快感を口にするのは、日人女性から好色な目で見られることである。 リボウには『ホッテントット・ヴィーナス』という好著もある。ホッテントットとはコイコイ族の通称・蔑称である。彼らの言葉が白人にはそう聞こえた。ヴィーナスとは、むろん美神の名だ。この二つを合わせた皮肉な「ホッテントット・ヴィーナス」と呼ばれた女性サラの悲劇の物語である。 サラはアフリカからヨーロッパに連れて来られ、見世物小屋に売られた。また、生物学者らの知的好奇心の対象にもなった。それは主に張り出した臀部と肥大した性器に対するものであり、そこには大形猿類の発情期の徴候との類推があった。しかもサラは人柄が優しく、オランダ語を難なく話す知性もあった。残酷な運命に苦し

    見世物小屋に売られ標本にされた黒人女性に見る「知の特権」
    egamiday2009
    egamiday2009 2019/10/01
    “「知の特権」なるものは知の特権ではなく「強者の特権」にすぎないことが分かる。アイヌが和人の墓を発掘調査し、黒人が白人の標本を博物館に陳列して、初めて本当の知の特権が行使されたことになる。”
  • 春画の名作、復刻へ 彫師も摺師も力量が試される大きな挑戦

    江戸期の高度な彫摺(ちょうしゅう)技術を後世へ継承すべく、東京伝統木版画工芸協同組合の呼びかけで浮世絵師・鳥居清長の春画の名作「袖の巻」の復刻が進んでいる。組合の高橋由貴子理事長が語る。 「『袖の巻』12図のうち10図を所蔵する国際日文化研究センター(日文研)の協力を仰ぎ、オリジナルの版画から版下を作って、清長が描いた“生”の線を東京と京都の木版画職人十数人が復刻に挑んでいます。特に現代ではまず彫ることのない陰毛は彫師にも摺師にもその力量が試される、大きな挑戦となっています」 陰毛から春画の面白さや奥深さが感じられると語るのは、日文研・特任助教の石上阿希氏。 「陰毛が生えていないことで手習所の子供たちの睦み合いとわかるなど、細部の描写から男女の年齢や関係性が読み取れます。そして春画が絵師、彫師、摺師の三位一体でなされる高度で総合的な作品だとよくわかる。今回のプロジェクトが春画の再評価に繋

    春画の名作、復刻へ 彫師も摺師も力量が試される大きな挑戦
  • 居酒屋タッチパネル誤注文 2人の前にビール7杯ちゃんと来た

    「私はスマートフォンもパソコンも持たない主義だから、タッチパネル注文の店は嫌ですね。操作もおぼつかないし、店側の都合で客に負担を強いるシステムにはどうも馴染めません」 そうボヤくのは国際日文化研究センター教授・井上章一氏(62)だ。チェーン居酒屋を中心にタッチパネル端末による“セルフ注文”が普及してきたが、中高年の評判はよくない。 「タッチパネルは店の都合を優先した“お店ファースト”のシステムでしょう。そういう雰囲気は好きになれないね」(58歳・男性) 大声で店員を呼ばずに済む、オーダー間違いがないといったメリットはあるのだろうが、操作には戸惑いばかりだ。「焼き物」「一品料理」といったジャンルでページが異なり、メニューのようにパラパラめくれないから注文したい料理がどこにあるかわかりづらい。 「と2人で入った居酒屋で、間違えて生ビールを一度に7杯注文してしまった。明らかに不自然な注文のは

    居酒屋タッチパネル誤注文 2人の前にビール7杯ちゃんと来た
    egamiday2009
    egamiday2009 2018/01/02
    もしくは、タッチパネル使用は2割引、とか。「客が入店前に選べるよう“当店はタッチパネル注文です”と店先に掲示してくれるとありがたい」
  • 【書評】建築史学のパイオニアの調査足跡と新鮮な人間像

    書評】『明治の建築家 伊東忠太 オスマン帝国をゆく』/ジラルデッリ青木美由紀/ウェッジ/2700円+税 【評者】井上章一(国際日文化研究センター教授) 明治期に東京帝国大学の教授となった研究者たちは、みな欧米へ留学した。と言うか、あちらで学んでこなかった者は、そもそも帝大の教授になれなかったのである。この因習をはじめてうちやぶったのは、工学部の助教授である伊東忠太であった。 忠太は一九〇二(明治三五)年に日を旅だち、アジアの建築調査へでかけている。中国、インド、トルコの遺跡などを、三年にわたってしらべあげた。その最後に、アリバイづくりよろしく五カ月ほど欧米をまわり、日へ帰っている。西洋一辺倒だった明治の学界にあって、アジアへこだわる希有な学者であった。 このは、トルコで忠太がどのような調査をくりひろげたのかに、光をあてている。オスマン帝国時代のトルコだから、まだ今のシリアやエジプ

    【書評】建築史学のパイオニアの調査足跡と新鮮な人間像
  • ロバート・キャンベル氏「米誌に春画を掲載するのは難しい」

    大英博物館で行なわれた春画展が盛況となるなど、春画は海外では高い評価を受けている。日でも春画展が開催中だが、その一方でいまだにタブー視されている面もある。カラーグラビアページで春画を掲載した『週刊文春』(10月8日号)について、発行元の文藝春秋が、「編集上の配慮を欠いた点があり、読者の皆様の信頼を裏切ることになった」として突如、「編集長の3か月休養」を発表した。 果たして春画を週刊誌に掲載することは是か非か。この問題について議論すべく、日文学者のロバート・キャンベル氏に意見を求めた。 * * * 私はアメリカを代表する者ではないですが、アメリカで春画を雑誌に掲載するのは難しいと思います。生殖器が露骨に描かれた絵を出すことは、アメリカの一般紙や総合誌といった媒体では難しいと思います。 実は、私の東大での授業でも、春画を取り上げ、学部生に教えています。ただし授業の事前には、「露骨な絵を見せ

    ロバート・キャンベル氏「米誌に春画を掲載するのは難しい」