スマホで見ながら観光も 全国の自治体などが発行する遺跡の発掘調査報告書をデータベース(DB)化した奈良文化財研究所(奈良市)の「全国遺跡報告総覧」の利用者が伸びている。昨年度は886万件のアクセスがあり、今年度は1100万件を見込んでいる。担当者は「発掘調査担当者や研究者をはるかに超える数。一般の人たちに利用されている」と指摘。日本人の歴史好きを浮き彫りにしている。【大川泰弘】 自治体の報告書は300冊ほどしか発行されず、多くは一般の人には閲覧が困難。DBのネット公開が威力を発揮する。キーワード検索や地図からのアクセスが可能で、報告書などをPDF形式でダウンロードできる。スマホでの利用も可能。奈文研文化財情報研究室の高田祐一研究員は「例えば観光で城に行った際、現地で過去の発掘調査の報告書を読める。埋め戻す前の写真も見られて臨場感がある」と活用法を提案する。