恐山あれこれ日記: 「うしろめたさ」の意味

「うしろめたさ」の意味 東日本大震災の被災者の方々の恐山参りが毎日あります。すると、こちらから特別話しかけようとしなくても、時には被災者の方のほうから、当時の惨状や、最近の暮らしぶりなどを話してくださることもあります。 そういうとき、少なからぬ人が、こういうことを言われます。 「私たちは被災したと言っても、家族が誰も死んだわけではないし。なんだか、申し訳なくて」 この方々も家と仕事を失い、仮設住宅で先行きの不安な生活をしているのです。にもかかわらず、家族が無事だったことを「申し訳ない」と言う。うしろめたいのです。 これまた最近増えてきた、震災をめぐる恐山でのマスコミの取材。彼らの一人が、あるとき言いました。 「被災地は何も解決していません。それどころか、事によっては、状況が悪化さえしているのです。ですが、我々の取材は、なんとなく一時の熱意と緊張がなくなってきています。露骨に言うと、目新しい

[wakabaroom]

“うしろめたさとは、そうである根拠が欠けているにもかかわらずそうであるという不安、「諸行無常」の感情なのです。”