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仮厦: 二者関係先進国日本
一般に、日本社会では、公開の議論ではなく、事前の「根回し」によって決まる。人々は「世間」の動向を... 一般に、日本社会では、公開の議論ではなく、事前の「根回し」によって決まる。人々は「世間」の動向を気にし、「空気」を読みながら行動する。(柄谷行人「キム・ウチャン(金禹昌)教授との対話に向けて」) ………… 以下、雑に要点をまとめたもの。 肝腎なのは《人間の思考はその人間の母語によって決定される》(ロラン・バルト)こと。単純に日本の「根回し」文化・「空気を読む」文化を批判しても何も始まらない。 いまさらながら、日本語の文章が相手の受け取り方を絶えず気にしていることに気づく。日本語の対話性と、それは相照らしあう。むろん、聴き手、読み手もそうであることを求めるから、日本語がそうなっていったのである。これは文を越えて、一般に発想から行動に至るまでの特徴である。文化だといってもよいだろう。(中井久夫「日本語の対話性」2002年『時のしずく』所収) 日本語は、つねに語尾において、話し手と聞き手の「関係