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森村進編訳『ハーバート・スペンサー コレクション』
今こそ再評価のとき 読むことなしに不当なレッテルを貼られ、非難される思想家のランキングを作るとした... 今こそ再評価のとき 読むことなしに不当なレッテルを貼られ、非難される思想家のランキングを作るとしたら、その首位は間違いなく、19世紀英国のハーバート・スペンサーだろう。 スペンサーは動物だけでなく人間についても「適者生存」という言葉を使ったために、弱肉強食を提唱する保守的な「社会的ダーウィニズム」の代表者としてしばしば批判される。しかし本書に収められたスペンサーの文章を読めばわかるように、そのような批判は「とんでもない言いがかり」(科学ジャーナリスト、マット・リドレー)である。 スペンサーの言う、人間社会における「適者」とは、軍事力や政治権力、物理的実力を持つ強者のことではなく、他者との互恵的協力関係に適した人々を指す。弱肉強食は軍事力や政治権力、物理的実力が物を言う野蛮な軍事型社会の特色であって、スペンサーが好ましいと考える、自由市場に基づく産業型社会の特色ではない。 スペンサーは政府の
2019/01/28 リンク