馬耳西風:＜その２０＞那須与一 京に眠る＝氷置恒夫－ 毎日ｊｐ(毎日新聞)

今回も墓の話。源平の屋島合戦で、平家方が小舟に掲げた棹（さお）の上の扇の的を一矢で射たことで名を残した源氏の武将・那須与一。先日、京都東山の泉涌寺（せんにゅうじ）の山内寺院、即成院（そくじょういん）を訪れると、与一の立派な墓があった。武運にあやかり、扇に願い事を朱色で筆書きし、「願いが的へ」と宝塔へ奉納する人が多いという。 与一は下野国の人と伝わり、栃木県大田原市にも墓所がある。生涯は謎めくが没したのは京都・伏見。即成院はもともと伏見にあった。寺伝などによると、与一は源義経の命で上京の途中、京を目前に病にかかり伏見で療養。即成院本尊の阿弥陀如来に祈って平癒した。このためこの阿弥陀さまへの信仰を厚くし、源平の戦いの後、武士を捨て即成院で出家。戦に倒れた人々の菩提（ぼだい）を弔いながら暮らしたという。即成院は明治初期、廃仏毀釈（きしゃく）で廃寺となり、阿弥陀如来などは泉涌寺に引き取られた。寺号

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【コラム】源平合戦で扇の的を矢でいた那須与一。その墓が京にあります