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934夜『秀吉と利休』野上弥生子|松岡正剛の千夜千冊
野上弥生子がいない。こんな老媼はもう出現してくれないだろう。昭和60年にちょうど100歳で亡くな... 野上弥生子がいない。こんな老媼はもう出現してくれないだろう。昭和60年にちょうど100歳で亡くなった。 宇野千代も円地文子も瀬戸内寂聴も、この人の慎ましさにはまったく頭が上がらなかった。上がらなかっただけでなく、慎ましいにもかかわらず、その教養の深さと広さと速さの相手をつとめる者なんて、もう誰もいなかった。たとえば能や謡曲については、白洲正子ですらお孫さんのようなものだった。 女性作家として抜きん出ていただけではない。老境に達したフリをした谷崎潤一郎が勝手なものを書いているのを読んだときは、「こんな御座なりを書くほか書くものがなく、また書けないのなら、断ってゆっくり遊んでいればよい」と文句をつけ、これじゃトーマス・マンは日本に出てこないわね、誰もやらないなら私がやらなくちゃと嘆いた。 その野上弥生子がいない。そう思うと、とたんに日本がこれから何を準備しなければならないかということを、背中に
2024/12/15 リンク