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虚構の果ての廃墟/夢の原子力(吉見俊哉) - 見もの・読みもの日記
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虚構の果ての廃墟/夢の原子力(吉見俊哉) - 見もの・読みもの日記
○吉見俊哉『夢の原子力:Atoms for Dream』(ちくま新書) 筑摩書房 2012.8 本書を見つけたときは、吉... ○吉見俊哉『夢の原子力:Atoms for Dream』(ちくま新書) 筑摩書房 2012.8 本書を見つけたときは、吉見先生、相変わらずチャレンジングだな~!と思った。議論百出のこのテーマ(原子力)に、いったい、どういう角度から斬り込んでいくのか、興味津々で、すぐに本書を買って、詠み通した。 全体としては「歴史」を主とした叙述になっているので、福島第一原発事故の責任者探しとか、今後の原発推進是か非か、という類の問題設定に、早急な回答を求めている読者には向かない。あとがきに言うように、「昨年3月11日以来、1年余の間にこの国で起きていることを、過去60年、ないしは約1世紀の歴史の歴史のなかに位置づけること」を著者は「本書の使命」と考えており、「この社会がこれからどの方向に進むにせよ、そうした歴史的想像力をもって歩んでいってほしいと思う」と説く。 したがって、第1章は、一気に歴史を遡行して、