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異形の王権 網野善彦 **** - 意思による楽観のための読書日記
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異形の王権 網野善彦 **** - 意思による楽観のための読書日記
後醍醐天皇を「異形の王権」と表現、ここで日本の文化の変曲点が見られる、東西文化の違いの変曲点でも... 後醍醐天皇を「異形の王権」と表現、ここで日本の文化の変曲点が見られる、東西文化の違いの変曲点でもある、という主張。そして異類異形の民について、14世紀までは差別対象とはなっていなかったのが、これ以降、徐々に差別対象となっていったこと、その差別には東西における違いが大きかったことなどを上げている。絵巻などから読み取れる人々の「しぐさ」や飛礫などにも着目、女性の片膝立て、扇子格子越しに見るしぐさ、飛礫合戦などの歴史と意味などについても解説している。天皇や将軍がいつ死んだとか、戦争がいつ起きた、などという歴史よりもずっとおもしろい。中沢新一が著した「僕の叔父さん 網野善彦」で書かれていた飛礫合戦に関する、中沢厚の著作も紹介されていて、網野善彦の歴史観を表からも裏からも知るようで愉快であった。 12世紀頃に描かれた絵巻には摺衣を着た人物や婆娑羅と呼ばれる異類異形の人物が登場している。禅僧の中には僧