「非正規教員の研究」書評 独自データで描く「帳尻合わせ」｜好書好日

「使い捨てられる教師たち」の知られざる実態 非正規教員の研究 著者：佐藤 明彦 出版社：時事通信出版局 ジャンル：教育・学習参考書 「非正規教員の研究」 ［著］佐藤明彦 世の中に薄々知られていることだが、公立小中学校で非正規教員が増えている。子供の教育問題は社会にとって重要なはずだが、この国のシルバー民主主義は、総論賛成あとは棚上げの典型例としてしまった。本書のように、文部科学省の公開データのみならず、独自に入手した情報を見せられると、なるほど、危機的状況だと納得がいく。 もともと非正規労働者についての客観的材料を得るのは案外難しい。民間の場合、非正規労働者の多数は、実は無期の労働契約を結んでいるものの職場では正社員とは呼ばれない労働者だからだ。しかし研究者、司書や学芸員などを含めた公的部門の場合、非正規労働者はまさに有期の労働契約を結ぶ人びとと一致する。より教科書的な非正規労働市場として

[inunohibi]

"本書によれば、教員市場の特徴は需要予測が難しいことにある。日本全体では子供の数はほぼ決まっているのだから、教員の必要数が予測できないとはにわかには理解しがたい。しかし、～"