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『ボン書店の幻 モダニズム出版社の光と影』内堀弘(筑摩書房) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
→紀伊國屋書店で購入 「物語のおわり」 『ボン書店の幻』が文庫に! 早速、パソコンと本の山をむこうへ... →紀伊國屋書店で購入 「物語のおわり」 『ボン書店の幻』が文庫に! 早速、パソコンと本の山をむこうへ押しやり、ひといきに読み、呆然となる。白地社版を読んだときもおなじだった。二五〇頁ほどのボリュームの本を読んだという気がまったくしないのだ。著者に導かれ、レスプリ・ヌウボオの風に吹かれ、きらめくような書物たちのあいだをくぐり抜け、気がつけば「彼」は消えてしまっていた。まるで一瞬のできごとのようなこの読後感が、「彼」――ボン書店・鳥羽茂の印象とかさなる。 一九三〇年代はじめ、「モダニズムの時代」も後半にさしかかった頃にあらわれた出版社・ボン書店は新しい詩への夢とすぐれた造本感覚でもって、当時の若きモダニズム詩人たちの詩集やシュルレアリスム文献を世に送りだした。 そのはじめての出版は昭和七年の夏、竹中郁『一匙の雲』と北園克衛『若いコロニイ』である。「生キタ詩人叢書」というシリーズとしてだされたこ
2009/03/10 リンク