漫画家・山本直樹はなぜ反表現規制論者に冷ややかなのか【前編】

1991年に『Blue』が東京都から不健全図書の指定を受け、版元回収となって以降も、一切怯むことなく過激な性表現を追求し続けてきた漫画家･山本直樹。コミック規制の中心部に立つ存在として知られている山本氏だが、ネット上などで「表現の自由戦士」と呼ばれる反表現規制論者たちへの態度は冷ややかでもある。氏の考える“表現の自由”と“性表現の有り様”とはいったい、どのようなものなのか――。【前半記事】 ――『Blue』が不健全図書と指定された時のことは、とても印象深く覚えています。 山本直樹（以下、山本） 最初に東京都の不健全図書指定を受けたのは『Blue』です。次はちょっと飛んで、2008年に『堀田』の3巻。あと『分校の人たち』の2巻と3巻。20年に発売された最新刊の『田舎』もだから、『分校』の2巻目以降は『レッド』以外のすべての作品が不健全指定を受けてる。 ――不健全指定を受けると、どういったこと

[seven_cz]

“もっと苦しめられている自由が…自民党に不利なことがNHKニュースで流れなかったり…朝鮮人虐殺を描いた短編映画を、都の施設で上映しようとしたら都側が難色…触れないほうがいいんじゃねぇの、みたいな「空気」”

[tick2tack]

”ようするに「左翼とフェミニストが、俺たちのエロを消そうとしている！」みたいな観念でしょ”/　エロ漫画見て性犯罪する人もエロ漫画の影響がと規制したがる人も”フィクションと現実をごっちゃにするなとしか”